【中部】厚生労働省はこのほど、感覚障がいを伴う遺伝性疾患である「沖縄型神経原性筋萎縮症」や筋萎縮性側索硬化症(ALS)など神経難病患者のQOL(生活の質)を向上させるために筋力補助機器を使う工学治療の研究を特別研究に指定し、2017年度の研究費約360万円を交付した。厚労省が腕に関して同研究費を認めるのは初。研究班長で福岡大学医学部の秋田定伯教授が13日、県内を訪れ、「沖縄型-」の患者ら6人に腕の動きを補助する機器を使用し、効果や反応を聞き取った。患者からは、残された筋力の維持や回復につながるとして、期待が高まっている。

筋力を補助する装具「HAL」を使って、いつもとは違う指のスムーズな動きを実感する沖縄型原性筋萎縮症の女性(中央)=13日、沖縄市海邦・愛音楽(アネラ)はうす

 使用されたのは、脳から筋肉に神経を通して送る信号を読み取り、動きを補助する機器の「HAL(ハル)」。「沖縄型-」の患者や家族でつくる「希(のぞみ)の会」会長の我如古盛健さん(61)はHAL使用後の4日間ほど腕や指の動きが円滑になった体験を話している。

 7月下旬に厚労省が指定した研究の名称は「神経難病に対するロボット神経工学治療の社会実験ニーズの把握」。研究班は年度内に多くの患者のデータを集め、残された運動機能を引き出して日常生活に生かす具体的な方法や対象となる疾患の検討を重ね、治療への導入を目指す。我如古さんらが体感する機器使用後の治療効果についても個別に調べる方針だ。