沖縄とCIA ロバート・ジャクソン回顧録

CIA、沖縄にスパイ拠点 盗聴や潜入…アジアで秘密工作

2017年8月16日 07:35
9秒でまるわかり!
  • 沖縄の本土復帰前、キャンプ知念はCIAのスパイ活動の拠点だった
  • 陸軍施設を装い、特殊訓練も実施。アジア全域で秘密作戦を展開
  • 父が元CIA要員で、同キャンプで6年暮らした米国人男性が証言した

 【ジョン・ミッチェル特約通信員】1972年の本土復帰まで米中央情報局(CIA)の秘密施設だった「キャンプ知念」(現南城市玉城)を拠点に、アジア全域でスパイ活動が展開されていたことが元要員の家族の証言で分かった。活動は潜入、盗聴、秘密工作など多岐にわたっていた。厳重に秘匿されてきたキャンプ知念の実態について、沖縄の従業員の証言は発掘されてきたが、米側からの証言は初めてとみられる。

現在の琉球ゴルフ倶楽部にあったCIAの秘密施設キャンプ知念。広い敷地にプールなどが点在する(撮影年不明、ロバート・ジャクソン氏提供)

ロバート・ジャクソン氏

現在の琉球ゴルフ倶楽部にあったCIAの秘密施設キャンプ知念。広い敷地にプールなどが点在する(撮影年不明、ロバート・ジャクソン氏提供) ロバート・ジャクソン氏

 本紙の取材に応じたのは米国人で中東オマーン在住のロバート・ジャクソン氏(57)。CIA要員だった父の転勤に伴い1963~72年の間、2回に分けて計6年間、キャンプ知念で暮らした。当時の記憶のほか、後に父から聞き取った内容を明かした。

 キャンプ知念についてインターネットで調べたことをきっかけに2012年、沖縄を再訪。基地問題にも関心を持つようになった。いまだに残る基地について「不正義であり不必要だ。父も閉鎖されることを願っていた」と語る。

 ジャクソン氏によると、施設所属の要員は米本国のCIA本部からの指令に基づいて行動した。タイの首都バンコクでソ連駐在武官の事務所に盗聴器を仕掛けたり、香港で中国軍人の脱出を手助けしたりした。東南アジアに米軍機で潜入する任務もあった。

 施設の一角に置かれた隠れ家では外国人に特殊訓練を施した。倉庫には消音器付きの銃やエンジンを静かに改造した小型ボートなど秘密作戦用の装備があった。施設内には工房があり、インドネシアのパスポートや雇用書類を偽造したことがあった。偽造のため、あらゆる種類の紙やインク、外国製のタイプライター、入国管理局のスタンプが備えられていた。 

 ジャクソン氏は「キャンプ知念は表向き陸軍の補給施設とされ、リゾート施設のようにも見えた。実際にはCIA施設の中でも最も機密性が高く、アジア全体の任務に大きな役割を果たした」と指摘した。

追跡 日米地位協定と基地公害――「太平洋のゴミ捨て場」と呼ばれて
ジョン・ミッチェル
岩波書店
売り上げランキング: 83,373
連載・コラム
記事を検索
注目コンテンツ
復帰のエピソードお寄せください
復帰のエピソードお寄せください
日本復帰にまつわる体験や、半世紀を振り返っての思いなどをお寄せください。
SDGs企画「未来へ#いのちを歌おう」
SDGs企画「未来へ#いのちを歌おう」
Kiroro玉城千春さんが沖縄県内の小・中学校を訪ねて、夢、命の尊さを届けます。
不器用トーク・アーカイブ
不器用トーク・アーカイブ
不器用トークのアーカイブページです。毎月1回、まさに今、現場で取材している記者たちが、それぞれのテーマについて熱く語ります。
楽でお得でポイント高し!
楽でお得でポイント高し!
「オール電化」はセイカツをどうカエルのか?護得久栄昇先生がオール電化生活の安心・お得な魅力を探った。
”コトバチカラ”特設サイト
”コトバチカラ”特設サイト
人々を勇気づけるアスリートのコトバを発信している特設サイト
命ぐすい 耳ぐすい
命ぐすい 耳ぐすい
沖縄県医師会の各分野の医師による医療・健康に関するコラム
胃心地いいね
胃心地いいね
沖縄タイムスの各市町村担当の記者が、地域で話題のお店や人気グルメを食べ歩きます。
アクロス沖縄
アクロス沖縄
東京発 各分野で活躍する情熱県人らを紹介
ワールド通信員ネット
ワールド通信員ネット
世界各国の沖縄県系人の話題を中心に、海外通信員が各地のニュースをお届けします
マンガ家大城さとしが行く!沖縄のじょ~と~企業探訪
マンガ家大城さとしが行く!沖縄のじょ~と~企業探訪
おばあタイムスでおなじみのマンガ家・大城さとしさんが長編マンガで沖縄の企業を紹介するシリーズ企画です。