沖縄県立南部医療センター・こども医療センター(佐久本薫院長)がこのほど、心臓に先天性疾患のある1400グラムの新生児に一時的に人工心肺装置(ECMO)を装着して救命し、生後4カ月で複雑な心臓疾患の根治手術に成功した。手術を受けた女児は16日、退院した。同病院によると1500グラム未満の新生児への人工心肺装置の装着手術は世界的にも報告例が極めて少なく、根治手術を経て退院に至る事例はまれとしている。

次女杏樹ちゃんの退院を喜ぶ父の平良祐樹さん、母の樹里さん、姉の思月さん=16日

 手術を受けたのは、糸満市の平良祐樹さん(37)と妻樹里さん(38)の次女、杏樹ちゃん(生後11カ月)。杏樹ちゃんは胎内で大動脈縮窄(しゅくさく)症候群と診断され、昨年9月に誕生後、9日目で救命手術を受けたが、心不全が悪化。1時間以上の心停止状態に陥り心臓マッサージを続けた上で、人工心肺装置を装着する手術を実施し心臓機能の回復を待った。装置は8日目で外れたが、心不全とともに他臓器にも影響が残った。ことし1月、再び人工心肺を装着した状態で大動脈縮窄や心臓の穴をふさぐなどの複雑な根治手術に成功した。

 同病院の小児集中治療科の藤原直樹部長は「多くの困難を乗り越え、退院の日を迎えることができた。本人の生命力の強さ、家族のサポート、多岐の分野にわたる多くの専門医、看護師、技師らみんなの総合力のたまものだ」と話した。