【2杯目】おばぁの家でぜんざいまで・・・「茶屋すーじ小」

 1杯目のせっちゃん・れいちゃんの余韻がまだ残る2日後の28日、2杯目となるそばを食べに私は壺屋を汗だくで歩く。近ごろの沖縄は異常な暑さ。予定では10分もかからず到着のはずだが、すーじぐゎー(筋道)で迷いに迷っていつまでたってもたどり着けない。地図が読めなくて逆さにしてしまうタイプなので、グーグル先生もさぞかしご立腹だったに違いない。

 20分ほど迷ってようやく到着。「茶屋すーじ小(ぐゎー)」は、大通りからちょこっと脇道に入るだけの簡単な道順だったことに愕然…。

定期的に食べたくなる味わいの「茶屋すーじ小」の沖縄そば

 気を取り直して看板のかかる一軒家の前に立つ。窓が開け放たれ、板の間がすべて見渡せる入り口に、どこから入ろうか迷ってしまう。店の奥から店主らしき女性に「どこからでも、好きなところにどうぞ~」と声をかけられて目の前からダイレクトに入って座る。今回は親戚の家というよりおばぁの家へ遊びにきた感じの雰囲気。

 そばを運ぶ店主の国吉さんとのんちゃん(店の猫らしい)が一緒にやってくる。写真をお願いしたら、「ちゃんと塗れているかねー」とメークを気にするそぶりがかわいくてときめく。

祖母の味を伝える国吉さんと、店の飼い猫(?)のんちゃん

 国吉さんによると店は築100年の古民家で、祖父の母の家らしい。そば屋以前は焼き物の職人相手にご飯を出していたが、「一番おいしい」祖母のそばに絞った。「『ばあちゃんの味でそば屋をやろう』と、ばあちゃんの娘である私の母が店を出した。親子で受け継ぐばあちゃんのそば。私風に、少しアレンジは加えてるけどね」と教えてくれた。

 出汁について尋ねたら、「かつおと豚骨と、あとは愛情さ~♡」と笑顔で答え、「ごゆるりと~♪」とのんちゃんと一緒にキッチンに戻って行った。

 そばには大きめに切られた豚肉と刻まれた卵焼きが乗っていて、かまぼこより卵が好きな私にはうれしいトッピング。豚肉は硬すぎず柔らかすぎず、出汁もさっぱりしていてお箸がどんどん進む。「ばあちゃんの味」というだけあって、食べた後に安心感があり定期的に食べたくなる、好みの味でありました。

 忙しそうな時間帯を避けたのもあり、お客さんもキッチン前のカウンターの方たちだけだったので、広々とした店内は私の貸し切り状態。民謡の流れる心地いい空間の中、板の間にあぐらをかいてのんちゃんと遊んだり、飛んできたカナブンや庭のオオタニワタリの大きな葉っぱや夕立の空を眺めたり。蚊取り線香の匂いとおなかが満たされた安心感で眠くなってきて、人の家なのに、いやいやお店なのにくつろぎすぎて昼寝をしたい気分に駆られ、困りまくり。

「夏にぜんざい?」と驚く観光客もいるらしい。ぜんざいは冷たい食べ物。沖縄の常識です。

 そして、登場するはぜんざい。「ぜんざい食べたの何年ぶりかしら」と思いつつ、小ぶりのぜんざいがあまりにもかわいく、見つめていると溶け出したので焦って食べる。やさしい甘みと、溶けかけた氷の中に白玉を見つけてご満悦。

 これ以上いると、本当にそのまま寝転がる勢いだったので、後ろ髪引かれつつお会計。ここでもまた例の「29杯食べたら戻ってきます」宣言をして、お店を後に。

【筆者・たまきのそばデータ】
・店名:茶屋すーじ小(那覇市壺屋1-15-23、電話090-9788-4849)
・メニュー:沖縄そば500円、ぜんざい350円(量は、またもや2時間前に弁当を食べた私でも完食できるサイズ)
・雰囲気:ばあちゃんちにきた感覚でのんびりできる。もちろん女性ひとりでも入りやすい。