沖縄の地価上昇が止まらない。
 
 それは、不動産業関係者に言わせれば「異常な高騰」。中でも特徴的なのは、県外・国外から注目が集まる先島地区(宮古・八重山) 、新テーマパーク「ジャングリア」の開業を控える沖縄本島北部地区、地価の上昇感が際立つ那覇市新都心地区・小禄地区だ。
 
 国土交通省が2023年9月に発表した沖縄県内の地価(全用途)は前年比4.9%の上昇で、全国トップ。全国平均(1.0%)に比べると、実に5倍近い急上昇を見せている。しかも10年連続の上昇だ。今、沖縄の不動産市場で何が起こり、2024年はどんな動きが見込まれるのか。
 
 沖縄県不動産鑑定士協会が不動産関連業者268社の協力を得てまとめた「不動産DIレポート」最新版(2023年11月期)をもとに、不動産鑑定士の高平光一さん(ニライカナイ・アセッツ・コンサルティング)、半場吉朗さん(大島不動産鑑定宮古島支社)に深掘り解説してもらった。

 連載(中)は(上)に引き続き、2023年の地価上昇率が全国の市町村で1位だった宮古島市を中心に、先島地区の不動産市場の潮流を読み解く。地価が高騰する宮古島市では、好調な経済と人手不足を背景に賃貸物件が過度に不足し、家賃が首都圏並みに高騰している。その内実や、地元住民への影響を追った。(デジタル編集部・篠原知恵)

【連載:地価上昇が止まらない沖縄で今何が…】
#上 島がマネーゲームの舞台に?
#中 買えない借りれない、家がない!
#下 バブル突入するか エリア別解説

 人手不足に悩んだ末の、大きな決断だった。宮古島市平良の中心街にあるコンビニは昨年秋、時給の大幅アップに踏み切った。

 午前1時から午前9時のシフトで働ける場合は時給1400円から、夕方の時間帯でも時給1000円に。さらに土日は時給30円アップ、年3回のボーナスも付けた。県都・那覇市の繁華街にあるコンビニの時給を大きく超え、時間帯によっては東京23区内さえ上回る「好条件」だ。

コンビニに掲示された求人の張り紙
コンビニに掲示された求人の張り紙

 コンビニの責任者「宮古島には大学や専門学校がなく、高校を卒業すると、多くの若者が島を離れてしまう。深夜早朝を含めて比較的自由に働ける18歳以上がとても少なく、周辺の飲食店やホテルに対抗するには思い切って時給を上げるしかなかった」

 しかし、時給を上げるだけでは立ちゆかないのが、この島の厳しい特殊事情...