40歳を迎えた頃、既婚未婚・子あり子なしとさまざまな環境ながら、ともに20~30代をバリバリキャリアウーマンで駆け抜けてきた友人らが、収入減をものともせず働き方を変える現象が増えた。

 外資系の高収入だった友人は、体調の変化をきっかけに養生の考えに興味を持ち、漢方関連企業へ未経験で転職。別の友人は子育てが落ち着いたタイミングでフルタイムからパート勤務に変え、精力的に推し活を始めた。収入は減ったが、みな生き生きと過ごしているのが印象的だ。

 先日、コラムニストのジェーン・スーさんの講演会に参加した。スーさんといえば出す書籍はヒット、レギュラーのラジオ番組ではキレッキレながらも優しく寄り添うコメントが人気の我々アラフィフ女性の星だ。質疑の時間「会社経営しているが、同世代の女性に稼ぐことに貪欲になってもらいたい。どう声かけしたらいいか」と聞いてみた。

 私は、手に職を持ち経済的自立することが女性の人生を良くすると考えていたし、それを目指す同年代女性を支えたかった。が、みな私の情熱を笑顔でかわしていく。落胆した私は、バリバリ働くスーさんに共感してほしかったのだ。しかしその期待はバッサリと斬られた。スーさんの答えを簡潔に三つのワードにまとめるとこうだ。「傲慢(ごうまん)・諦める・若手に期待」。

 私が傲慢? 考え続けると結論は「ダブルスタンダード」。「経済的に自立することは正しい」を、相手に押し付けることは傲慢なのだ。余計なお世話。30代の頃、友人たちの働き方改革を肯定してきた私が、経営者視点になると否定的になっていた。

 経営者の私がいまできることは、情熱の押し付けを「諦める」またはこれからキャリアを積む「若手に期待」すること。生き方にも働き方にも絶対的な正解はない。他人と自分の違いを認め、それぞれの思惑が合致するところで繋がり、そうでなければ離れればいい。傲慢というキーワードを通し自分を顧みることで得た新しい視点は、私の凝り固まった頭を柔らかくし、肩の荷を軽くしてくれました。(エレファントライフ代表)

 次回は野々村充教氏(コスモフーズ社長)です。