沖縄県内の海岸や砂浜のあちらこちらで見かけるオカヤドカリが、海外の密猟者に狙われている。県警は昨年6~12月にかけ、許可を得ずに国指定天然記念物のオカヤドカリを所持したとして、外国人計4人を文化財保護法違反(現状変更等の制限等)で逮捕。昨年1年間で、密猟されたオカヤドカリ計千匹以上を押収した。ほとんどが紫色が特徴の「ムラサキオカヤドカリ」という種類だった。海外の一部でペットとしての需要が高まっているとみられる。天然記念物の保護に携わる関係者は「これまでにない異常な事態だ」と頭を抱えている。(社会部・矢野悠希)

 オカヤドカリは国指定天然記念物のため無断での採捕、移動などが禁じられている。那覇署は昨年6月、682匹を捕獲したとして、観光で来沖していた中国籍の30代夫婦を逮捕した。県警で統計が残る2004年以降、初めて摘発したオカヤドカリの密猟だった。夫婦は、当初「食べるために捕った」と話していたが、その後販売目的だったと供述した。

 その後も同法違反での摘発が相次いでいる。

 捜査関係者によると、10月中旬には宮古島市内で、270匹を密猟したとして、台湾人の30代男が逮捕された。12月には渡嘉敷島で約130匹を捕獲したとして、インドネシア人の20代男が現行犯逮捕された。いずれも「中国人に頼まれた」と話し、インドネシア人の男は「50匹5万円で買い取ってもらう約束だった」と具体的に認めた。

 生息域ではない県外でもムラサキオカヤドカリが見つかっている。神奈川県警は昨年、446匹を証拠品として押収し、事件捜査を始めている。

 特別な許可を得て国からオカヤドカリの採捕が認められている関係者によると、ここ数年、中国からの購入の問い合わせが増えており、ペットとしての人気が高まっているとみられる。

 県文化財課の新城憲一さんは「以前からうわさとして『密猟されている』と聞いたことがあった。なぜムラサキオカヤドカリなのか理由が分からない」と首をかしげる。外国人の相次ぐ逮捕に「注意・啓発活動を強化しないといけない」と話した。

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 オカヤドカリはなぜ狙われるのか。沖縄の人たちの暮らしとどう関わってきたのか。沖縄タイムスのウェブサイト「事件・事故の真相」でも詳報します。こちらから https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1280569