海外13カ国・地域に業界最多の281店舗、国内に257店舗を展開するメガネ製造販売チェーンのOWNDAYS(オンデーズ)。東京を本拠地とするグローバル企業だが、那覇市にグループ本社を置き、県内に26店舗を展開する。飛躍のきっかけとなったのが、沖縄振興開発金融公庫からの融資だった。田中修治社長は沖縄を「ピンチの時に助けてくれた場所」と話し、県内の小学生へメガネを無償提供するなど教育支援を続ける。

 オンデーズはファッション性の高いメガネを低価格で提供するメガネチェーン。製販一体体制を築き、品質の高さを保ちながら徹底したコスト削減で他社と差別化する。レンズの追加費用がなく分かりやすい価格体系が特徴で、若者を中心に支持を集める。低価格メガネでは国内で先行するJINS(ジンズ)、Zoff(ゾフ)と異なり、地方や海外展開に注力し業績を伸ばしてきた。

 海外展開の追い風となったのがシンガポール4号店の成功だ。

 同社は2013年に海外初進出を遂げ、シンガポールで3店舗を展開していた。当時、低価格帯のメガネチェーンは海外で珍しく、「飛ぶように売れた」(田中社長)という。翌年、勢いをつけて好立地に4号店を開業するため、開店資金の獲得が同社の最重要課題となっていた。

 しかし、オンデーズは負債を抱えた企業を田中社長がM&Aをして再建している最中だった。当初の09年は売上高が20億円あるにもかかわらず、赤字が2億円、負債14億円の債務超過状態。業績は徐々に回復していたものの、メガバンクには資金調達を軒並み断られた。

 田中社長は「外からは破竹の勢いに見えても、バランスシート(貸借対照表)が真っ赤なため借り入れができず、自転車操業の状態が続いていた」と明かす。

 転機となったのは沖縄振興開発金融公庫の嶺井忍氏(現中部支店長)との出会いだった。嶺井氏は当時、県内企業の海外進出を支援する海外事業部に在籍。各行が難色を示すオンデーズへの融資だったが、嶺井氏には「心躍る魅力的な案件に見えた」と振り返る。(政経部・大川藍)