国民保護計画に基づく弾道ミサイルの発射を想定した住民避難訓練が12日、沖縄県石垣市で行われた。内閣官房と消防庁、県、同市が主催。ミサイルを想定した避難訓練は、与那国町、那覇市に次いで県内で3例目。住民への周知や実行性を高めるため、政府が全国で実施している。

 同日午前10時過ぎ、防災行政無線でミサイルの「発射」が伝えられると、参加した住民ら約90人が石垣市の新栄公園から近くの石垣市民会館へ避難を始めた。

 落ち着いた足取りで、建物に入ると両手で頭を守りながら低い姿勢を保った。約6分後に「通過」のアナウンスを受け、住民避難訓練を終えた。

 同日午後1時には職員らが市役所に集まり、初動対処訓練を実施。沖縄周辺へのミサイルの落下予測を覚知すると、職員が来庁者に避難誘導を呼びかけた。「迎撃」を確認すると市は緊急事態連絡室を設け、被害や落下物の情報や状況報告をして、必要な手順を確認した。

 昨年は北朝鮮による「人工衛星」の打ち上げで、石垣市を含めて全国瞬時警報システム(Jアラート)が発令された。中山義隆市長は「ミサイルの通過、迎撃に応じた総合的な訓練ができた」と述べた。

 ただ、課題も残った。市がホームページ(HP)や地域に呼びかけたが、訓練の参加者は多くを市職員で補った。中山市長は「初回のため住民の関心がまだなく、啓発が課題」とした。

 参加した外国籍の男性は「訓練をすることは良いことだが、英語のアナウンスがなく分かりづらい。短時間で本当に避難ができるだろうか」と述べた。保育士の女性は「子どもたちを避難誘導する際、落ち着いた状態で動線を確保するのは実際には難しいだろう」と話した。(八重山支局・平良孝陽)