第一交通産業グループの那覇バスと琉球バス交通で働くバスガイド21人が、会社に籍を置きながら女性向け衣料の通信販売を受け付ける那覇市のコールセンターで働いている。団体旅行が減る夏場は同社にとって閑散期。この時期に人手を必要とする業界へ社員を派遣することで、自社の生産性を高める狙いがある。これまで沖縄県内外のバスやレンタカー会社などへも派遣してきたが、観光案内の「プロ」は電話対応にもうまく順応。「いい社会勉強になる」などと前向きに働いている。

りらいあコミュニケーションズ沖縄支社のコールセンターで働く第一交通産業グループのバスガイドたち=那覇市おもろまち

 同社の大城逸雄常務によると、バスガイドのニーズは秋の修学旅行シーズンに偏っており、航空運賃が上がって団体の動きが鈍くなる夏場は特に仕事が減る。社員が働く「受け皿」づくりは急務となっているという。

 今回受け入れているのは、那覇市おもろまちにある「りらいあコミュニケーションズ沖縄支社」のコールセンター。第一交通産業のバス事業が抱える閑散期の課題を聞いた三井物産那覇支店の花牟礼(はなむれ)真一支店長の仲介で、昨年から希望者を受け入れ始めた。

 「りらいあ-」の担当者は「彼女たちは本業で鍛えられているだけあって、声でおもてなしをするのが上手。一般的な新人より、お客さまの心に入っていく対応ができ、他のスタッフにもいい影響を与えている」と高く評価する。

 5月の大型連休明けごろから週に2~4回のペースで働く仲嶺秀美さん、益愛子さん、前里優貴さんは「最近になってやっと慣れてきた」と苦笑いしつつ、「いつかガイドができなくなった時に備えて、いい社会勉強になった」「顔の見えない接客を経験し、バスガイドにおける言葉遣いをあらためて考えさせられた」などと前向きに働く。

 今回の取り組みに花牟礼氏は「沖縄は経済成長が著しく、人手不足が顕著になりつつある。こうした繁閑の差を埋める方策も課題解決の一つになり得るのではないか」と語った。