【連載「働く」を考える】第3部 働きやすさ求めて

◆ミム・デ・オム

開店前のミーティング。OMUさん(右から2人目)はじめ個性的なスタッフでアイデアを出し合い、イベントなどを実現してきた=那覇市の「ミム・デ・オム」久米店

 那覇市に2店舗を構える美容室「ミム・デ・オム」(OMU代表、16人)はことしオープン25周年を迎える。人の出入りが激しい美容業界だが、カットを任される7人のスタイリスト全員が在籍13年以上で、中にはオープン当時から勤めるスタッフもいる。

 「沖縄の美容室がやったことのないことをやろう」を目標に、大規模なヘアショーを県内で初めて成功させるなど、業界をけん引してきた。通常のサロンワーク以外のチャレンジを続けることが、スタッフの自信やモチベーションにつながっている。

 スタイリストのRUNさん(34)は勤続14年。「全国的な雑誌に作品が掲載されるなど、自分の夢がかなうチャンスがある。イベントに関わったり、いろいろな人に出会えるなど、他にはない刺激があるから続けてこられた」

 代表のOMUさん(54)は「職場は船。働く目的や目標を明確にして、一緒にこいでいくことが重要」と話す。

 「ヘアショーをやろう」「自社ビルを建てよう」など毎年目標を立て、どうしたら実現するか、スタッフ皆でアイデアを出し合う。

 通常の営業をしながらなので、負担が過重にならないよう、計画を立て、準備に時間をかける。

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 働きやすい環境づくりにも取り組む。

 「自分が勤めていたときに、あったらいいな、と思うことを実行した」とOMUさん。7年間勤めた東京の美容室では休みは週1日の閉店日だけ。ボーナスはなかった。

 休みが少ない、給料が少ないという美容師のイメージを覆そうと、ミム・デ・オムではボーナスを年4回支給。週1日の閉店日以外に月2回の休みをつくった。これまで2度、スタッフみなでヨーロッパに海外研修も。

 子育て中のスタッフは時短勤務で働き、休みも多い。

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 スタッフが美容師として自己実現できるチャンスづくりにも力を入れる。

 その一つがフォトコンテスト。ヘア、メークして撮影した作品を持ち寄り、投票して、1位になった人には雑誌への作品掲載などのチャンスが与えられる。年季の浅いスタッフが1位を取ることもある。

 新人アシスタントのSHAKAさん(22)は、若い感性でイベントなどに積極的にアイデアを出している。「スタッフみんなの目標が高いので刺激的。上を向いて歩いていける。イベントなどは自分も一緒に動かしている感じがあるから楽しい」と笑顔を見せた。

 OMUさんは「がんばれば夢がかなう職場なら、楽しく、飽きずに仕事が続けられるはず」と力を込めた。(学芸部・高崎園子)=第3部おわり。第4部は9月中旬に掲載します。