幼いころから、写真の中のふるさと沖縄を眺めてきた。1945年は、白と黒の世界だった。沖縄戦の惨状は、目を覆いたくなるほどのむごたらしさ。子ども心に「今」とは断絶された別の世界のように思えたし、思いたかったのかもしれない。 今、身の回りにあふれている色彩が、昔はないという錯覚さえ覚えていた。