54年前、沖縄を舞台に制作が予定されていたドラマ「沖縄物語」の脚本や関連資料が見つかった。脚本を担当した故・灘千造さんの家族が昨年、沖縄映画研究家の世良利和さんに託した。共同プロデューサーとして県出身の故・金城哲夫さんも関わっているが、実際に番組が放映された記録はなく、世良さんは「何か手がかりを得て映像の発見につなげたい」と話す。

灘千造さんの遺族が保存していた「沖縄物語」の手書きの脚本(右)などの資料

 刑事ドラマ「沖縄物語」は1963年、テレビ局に売り込むための「パイロット版」3作が撮影された記録と脚本が残っている。主役級の刑事には当時沖縄芝居で活躍していた親泊元清さん、高安六郎さん、小島伸太郎さんが起用された。

 灘さんの手書きによる第3話「黒い円舞曲」の脚本や修正された脚本と一緒に、真境名由康さん、玉城盛義さんら当時の沖縄芝居の役者110人余の顔写真と所属などを記したデータを貼り付けたスクラップブック3冊も見つかった。

 世良さんは「灘さんは沖縄での撮影と役者の起用にこだわったのだろう。そのために金城さんをプロデューサーに迎えたとも考えられる」と推測する。

 資料は約20年前に灘さんが亡くなった後、知人らが娘の福島眞理さんに託した。福島さんは「沖縄に役立つかもしれない」との思いを込めて世良さんに資料を預けたという。世良さんは「金城さんの番組への関わりなどが興味深い。テレビ放映の有無やフィルムの存在などを知りたい」と情報提供を呼び掛けている。