夏の高級果樹として人気の高い県産マンゴーの価格が今年は安くなっている。不作で価格が高騰した昨年の反動もあるが、沖縄協同青果によると、19日の価格は1キロ当たり1138円で前年の同時期に比べ約4割も低かった。県によると今期の生産量は2055トンと過去最高となる見通しだが、出荷時期が例年より1カ月遅れ、県外のお中元需要の時期を逃した。そのため、8月以降に市場に集中して出回り、価格が下がった。消費者は「家庭でも食べやすくなった」と喜ぶ一方、生産者からは「豊作貧乏だ」と嘆きも漏れる。

豊作で、昨年に比べて価格が低下している県産マンゴー=22日、糸満市・ファーマーズマーケット

 同青果によると、今年は3月の開花時期に気温が上がらず開花が遅れ、出荷開始も5月と1カ月後ずれした。8月19日までの出荷量の累計は430トンで、前年同期比で約7割も増えている。

 2016年は生育時期の寒波により、出荷量は通年で263トンにとどまった。1998年以来、18年ぶりの200トン台で記録的な不作の年となり、価格は1957円と高騰した。

 今期と同じく豊作だった14、15年の価格は千~1100円台。14、15年は県外で需要が高まる7月中旬の出荷量も多く、高値で取引されていたが、8月以降の台風による果樹への被害から通年では価格が下がった経緯がある。

 JAおきなわの担当者は「今年は台風もなく、品質がいいのに価格が下がった。手間をかけた割に収入につながらず、農家にとっては痛手になるだろう」と危惧する。

 豊見城市のマンゴー農家、當銘貴一さん(28)は「農業は自然が相手。全てをコントロールできないのが難しい」と話し、今年の現状を「豊作貧乏だ」と嘆いた。

 一方、糸満市のファーマーズマーケットいとまんに買い物に来た市内の女性(78)は「毎年マンゴーを買っているが今年は例年に比べて安い。甘みも強く味もいい」と満足気だった。(政経部・久高愛)