船舶免許がいらない「ミニボート」の事故が県内で相次いでいる。第11管区海上保安本部によると、今年は8月までに浸水や転覆など3件の事故が発生。釣りなどのマリンレジャーが手軽に楽しめ全国的に普及が進むが、波に弱く、メンテナンスの不備による機器の故障も起きている。海保は天候確認や整備などを十分にするよう呼び掛けている。(社会部・伊藤和行)

転覆したミニボートから男性と少年を救助する金城智彦さん(手前右)と玉城吉孝さん(同左)=8日午後1時すぎ(中城海上保安部提供)

 「船が転覆した。助けて」。8日正午ごろ、金武町伊芸の沖合でミニボートに乗っていた宜野湾市の男性(42)から118番通報があった。海保から連絡を受け、近くで漁をしていた同町の金城智彦さん(30)の漁船が急行。男性と小学6年のおい(12)がボートにしがみついており、浮輪を投げ渡して救助した。

 2人は釣りをしていた。男性が岸に引き返そうと、いかりを上げている時、波が来て浸水、転覆した。波高は約50センチあったという。2人はライフジャケットを着ており、約1時間海水に漬かっていた。中城海上保安部の山田昌弘部長は「もう少し救助が遅れたら、体力が奪われ海に投げ出されたかもしれない」と話す。

 第11管区海保によると、ミニボートの事故は今年は8月までに3件起き、昨年の1件をすでに上回っている。けが人は出ていない。

 国土交通省によると、全国的にも事故が多発し、風や波に対する不注意やエンジンなどの機器の不良、不適切な操縦が原因の多くを占めているという。

 ミニボートの普及は2003年の規制緩和で進んだ。長さ3メートル未満、エンジン出力2馬力未満の船は操縦免許と船舶検査が不要となり人気が高まった。折り畳み式やゴムボートなどの種類があり、日本小型船舶検査機構(東京)の推計では、14年までに全国で約4万7千台が出荷されているという。

 事故の増加を受け、同省は12年から動画サイト「ユーチューブ」に啓発用の動画を載せ、海の知識やボートの安全利用の方法を周知している。中城海保の担当者は「少しでも波があれば出航は控えた方がいい。県内は天候の急変も多く、安全優先で楽しんでほしい」と呼び掛けている。