沖縄市池原の電照菊畑の一角にある「ホテルシャララ」が新たな観光スポットとして評判を呼んでいる。以前はラブホテルだったが4月、観光客向けにリニューアルオープン。「ラブホ感」を色濃く残すお城のような外観と電照菊の夜景が広がる景観、オーナーのおもてなしは外国人観光客や県内外の旅行者から人気だ。8月の客室稼働率は8割が続いたという。(中部報道部・比嘉太一)

電照菊畑の一角にあるホテルシャララ。お城のような外観は外国人観光客から人気だ

ホテルシャララを経営する高山孝子さん(右)と受付を務める義理の娘の千賀子さん。後ろの窓から電照菊の夜景が一望できる=沖縄市池原

電照菊畑の一角にあるホテルシャララ。お城のような外観は外国人観光客から人気だ ホテルシャララを経営する高山孝子さん(右)と受付を務める義理の娘の千賀子さん。後ろの窓から電照菊の夜景が一望できる=沖縄市池原

 ラブホテルを観光客向けにリニューアルしたのは沖縄市池原の高山孝子さん(66)だ。ラブホテルの開業は約20年前。フロント対応せず、部屋を稼働させるだけで収入が得られることから、約4億円で建設した。5年前から池原地区に電照菊の夜景を見に来る旅行客が増えたため、客層をカップルからファミリー向けに変更することを決めた。

 今年2月にラブホテルを閉じて全室を改装し、最大10人が泊まれる部屋など全23室をそろえた。「周辺に東南植物楽園があり、高速の沖縄北インターも近い。沖縄市の素通り観光のイメージを滞在型に変えるきっかけになる」と説明する。

 高山さんのおもてなしも人気の理由だ。オープン当初、赤いドレス姿の韓国人宿泊客がいた。聞くと、恩納村のリゾートホテルで式を挙げるという。高山さんはすぐさま花束を購入し、スタッフ全員で祝福した。

 7月には高校野球の県予選を勝ち進んでいた八重山農林高校も3泊した。同ホテルは朝食のみだが、学校側から夕食の提供を依頼された。「食べ盛りの球児のためにどうにかしたい」との思いで近隣の居酒屋に駆け込み、「夜、白米やみそ汁などを食べ放題にしてほしい」と直談判。店主も二つ返事で対応してくれた。

 試合当日の朝は、高山さんがおにぎりを全員に持たせて見送った。「息子も部活をしていたので、食事や遠征費用などの負担は大変。親の気持ちがよく分かるから」。宿泊期間中の八重農は8強、4強と勝ち進み、その後、球児たちからお礼の寄せ書きと試合結果が載った新聞記事が届いたという。

 「観光で地域を発展させるためには、人が人を呼びこむ仕組みが大切」と力説する高山さん。「このホテルを拠点に多くの人たちが池原地域を訪れるよう、お客さんに感動を与え続けていきたい」と意気込んだ。