フルーツタルトなどの専門店「オハコルテ」を展開するチューイチョーク(那覇市、豊田規秀代表)が来年から、大宜味村の小学校跡地で、県産シークヮーサー果汁を原料にしたアルコール飲料「シードル」の生産を始める。シークヮーサーの繊維部分(パルプ)を菓子の原材料に使っているが、量が多い果汁の有効活用を検討し、シードルの開発を決めた。発酵に必要な酵母も、県産果物由来のものを選定、「県産」をアピールし、生産量の増加を目指す。シークヮーサーを多く調達するため、農家の所得向上にもつながる。豊田代表は「生産者と消費者が共に喜ぶ商品を作りたい」と意気込んでいる。(政経部・久高愛)

製造工場として活用することが決まっている大宜味村の喜如嘉小学校(チューイチョーク提供)

 「シークヮーサーシードル」は1本300ミリリットル入り、アルコール度数は3~7%を予定している。18年9月ごろから生産を始め、18年末の商品化を見据える。女性客をターゲットに、オハコルテの店舗や専用のミニバーを県内各地に設けて販売を促進する。初年の出荷本数は20万本、売り上げで8千万円を見込む。

 大宜味村から廃校となった喜如嘉小学校跡地を借り受け、校舎の一部を工場に改装。シードルの生産や瓶詰めを行う。酒造りに必要な免許の取得にも取り組んでいる。

 同社は人気商品のヒラミーレモンケーキの原料でシークヮーサーのパルプを使っており、ケーキの生産拡大に伴いパルプの調達が課題となっていた。自社でパルプの加工生産を検討する中で、シークヮーサー果汁の活用も模索していた。

 一方、近年シークヮーサーの生産量が増加し、価格は安値傾向にあるため、一部は市場出荷されず未収穫のまま廃棄されてきた。大宜味村では2016年度の出荷量は1790トンで、810トンの出荷余力があるとされる。

 同社は、果汁消費量が多く、単価の高いアルコール飲料に着目し、近年注目が高まっているシードルの開発を決めた。昨年から、シークヮーサー果汁を発酵させる実験を繰り返し、既存のワイン酵母での発酵を確認した。今後は沖縄工業高等専門学校と、県産酵母の選定を進める。豊田代表は「沖縄にこだわったオリジナリティーのある一品を作りたい」と抱負を語った。