「恋愛を描くということは、障害を描くということなんだ」。脚本講座で教えてもらった目からうろこの当たり前の事実。激しく燃え上がる登場人物たちの思いを絶対に遂げさせてくれない幾多の障害。それでも思いを成就させたいと突き進む彼らの恋路に観客は憧れ、自分を重ね「好き」という感情が運ぶ心の高鳴りを追体験する。

海辺の生と死

 このラブストーリーの最大の障害は「戦争」。しかし、若い男女を出会わせたのも戦争だった。架空の島「カゲロウ島」で教員をするトエは特攻隊員として派遣された朔(さく)と出会う。ひかれ合った2人は、ひそかに逢瀬(おうせ)を重ねるようになる。しかし、朔への出撃命令の日は近づいていた。

 いつか来る別れの時におびえながらも、感情を爆発させる若い2人の姿に、胸をときめかせずにはいられない。(桜坂劇場・下地久美子)

 ◇桜坂劇場で9日から上映予定