景気の変動が激しいといわれるハワイで、成功している県系人がいる。マーケティング費や広告費を一切かけずに地元客をとりこにしている地ビール会社と、旅行社やウエディング業者と組んでビジネスを広げているマカダミアナッツチョコレート会社を、世界の県系経営者でつくるWUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)ネットワークのメンバーと一緒に訪ねた。(政経部・平島夏実)

「アロハ・ビール」の工場で常に少なくとも12種類のクラフトビールを製造しているスティーブ・喜舎場・ソンブレロさん=8月31日、ハワイのホノルル市内

「メネフネはハワイで言うキジムナーのような妖精」と説明する「メネフネ・マック」のニール・アラカキさん=8月31日、ハワイのホノルル市内

「アロハ・ビール」の工場で常に少なくとも12種類のクラフトビールを製造しているスティーブ・喜舎場・ソンブレロさん=8月31日、ハワイのホノルル市内 「メネフネはハワイで言うキジムナーのような妖精」と説明する「メネフネ・マック」のニール・アラカキさん=8月31日、ハワイのホノルル市内

◆設備・原料に妥協せず、SNSで魅力発信

アロハ・ビール社長 スティーブ・喜舎場・ソンブレロさん

 中城村出身の母とフィリピン人の父の間に生まれたスティーブ・喜舎場・ソンブレロさん(56)は、ハワイのビール市場で第3位の「アロハ・ビール」社長。2010年に創業し、生のクラフトビールをレストランやホテル、クラブに販売している。工場内のバーは、地元の個人客で平日も満席。広告費やマーケティング費を一切かけず、SNS担当社員がフェイスブックやツイッターで発信する戦略で、年3億〜5億円を売り上げる。

 ハワイの老舗地ビール「プリモ」は、1960年代に米本土資本に買収されたのをきっかけに生産拠点が米本国へ移り、人気を失った。ソンブレロさんは93年、ハワイ大学のMBAでビールビジネスを研究。もう一度ハワイの地ビールを復活せたいと起業し、今年1月にはハワイ工場を構えた。

 ビールを醸造するタンクはクロアチア製で「車で言えばロールスロイス級の高品質」。ハワイの火山灰で50年以上かけてろ過された高ミネラルの水を使う。アロハ・ビールの値段は米本土製のハイネケンの約2倍だが、味の良さが評価されている。

 工場内には、禁酒法時代の隠れ酒場を再現したバー、ペットと散歩がてら入れる屋台風のカウンターもある。「設備も原料も妥協せず、選ばれるアロハ・スピリット(ハワイ精神、ハワイの酒)でいたい」とソンブレロさんは話している。