沖縄空手

師の教え、心技継承に強い使命感 米国「女神ガーデン道場」【ミゲールの世界の沖縄空手事情】

2017年9月25日 20:15

 米国において活発に展開している沖縄空手の流派の一つ、一心流。具志川出身の創始者島袋龍夫氏は、喜屋武朝徳や宮城長順各氏等に師事し、1946年に道場を開設。55年に米海兵隊に空手指導者として採用され、56年に一心流と命名した。

門下生と稽古を行うアルシンョ・アドベンクラ氏=提供

門下生と稽古を行うアルシンョ・アドベンクラ氏=提供

 2年後の58年11月下旬、当時20歳のアルシンョ・アドベンクラ氏が沖縄に駐在した。フィリピン系で38年アラスカ生まれのアドベンクラ氏は、8歳からフィリピン武術のエスクリマの手ほどきを受け、武の道に進んだ。

 来沖直後、キャンプ・バトラーの同僚に誘われ12月1日、島袋氏の安慶名道場に入門した。61年に沖縄婿になり、空手のみならず沖縄の文化にもなじんだ。2回もベトナム戦争に派遣された氏は20年間、米国と沖縄を行き渡り、81年に米軍の役務から退いた。

 75年に他界した島袋氏から受け継いだ一心流空手の研究・継承に努めながら同年、具志川田場にある琉棍会に入門し、伊波光太郎氏の下で本格的に古武道を習い始めた。

 2000年代初期、アドベンクラ氏は、海兵隊のマーシャールアーツプログラム立ち上げに大きく貢献した。「海兵隊に人殺し技を教えると使ってしまう恐れがあると多くの人は信じていた。しかし、武道が教える自制と礼儀の取得を通して、逆に良い効果が生まれた。戦う術を学べば、戦いたくない心を養う」と説明する。

 1994年に町道場を閉館したアドベンクラ氏は現在、カリフォルニア・オーシャンサイドの自宅内に設けた「女神ガーデン道場」で指導している。氏の「一心会」には、北米だけで30余りの道場がある。明るい性格で快活な人柄のアドベンクラ氏は、元曹長ということもあり、79歳に見えない身体を持つ。70年余りの武術の鍛錬で自信と知識を身に付けた。

 一方で、歴史も調べる使命感も強く、94年から弟子を連れて毎年沖縄を訪れ、同系統の関係者のインタビューを行っている。

 「龍夫先生は、動きのまねをするのではなく、コンセプトを指導していたが、言葉の壁があったから多くの米兵には通じなかった」と振り返るアドベンクラ氏。〈空手は健康とフィットネスのためにある/備えあれば憂いなし/空手は護身術である〉。島袋氏から直接教わった「考え」を今も大切にしている。

 米国では現在、無数の一心流の組織が存在する。しかし、一期生で生涯武道として一心流空手を継承した人物は少なく、アドベンクラ氏はその一人。笑顔が輝く見事な保持者だ。(ミゲール・ダルーズ 「沖縄空手通信」発行人)

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