【連載「働く」を考える】第4部・インタビュー 沖縄労働局長 待鳥浩二さん

 −県の労働実態をどう見るか。

「違法な働かせ方と思ったら、ささいなことでも相談してほしい。電話でもいい」と呼び掛けた沖縄労働局の待鳥浩二局長

 「観光関連がけん引して、県内は景気がいい。有効求人倍率は昨年6月に1倍を超え、今年8月には1・11倍になった。11カ月継続して1倍を超え、雇用情勢は改善している」

 「ただ求人の内容を見ると7割が非正規だ。非正規は正規に比べて賃金が低くなる。非正規が多い状況は変えていかなければならない」

 「失業率も改善しているが、若年者の失業率がいまだに高い。大卒者の内定率が低く、3年以内の離職率が全国に比べて高いのも課題だ」

 −低賃金の問題は。

 「全国の8割弱だが、昔は7割強で、格差は縮まってきている。景気が回復し、有効求人倍率が上がって、人手不足でもある中、賃金を含めた労働条件は少しずつだが改善されてきている。求人のパートの平均賃金は今年8月には時給920円で、昨年同月より50円アップした。それでも全国の8割であり、今後、働き方改革や生産性向上で、徐々に引き上げるべきだ」

 −沖縄は最低賃金(最賃)のランク付がDランクで全国最低額が続いている。東京との差は復帰後から4倍に拡大し、最新の最賃の差額は221円で最大。ランク分けが負のスパイラルから抜け出せない仕組みになっていないか。

 「ランクごとに示す目安制度自体をどうするか中央で検討している。地方再生の課題がある中、東京は高い、地方は安いでは、地方に戻れない、という議論もある。そういった問題意識も含めて検討するべきではないかと思う」

 −具体的に沖縄労働局としてこれから何をするか。

 「働き方改革の中で、特に長時間労働の抑制は監督指導を強化していく必要がある。県内では不払い残業代の申告が多く、そこはしっかりみていく。労働局の強みは離島を含め、県内各地にハローワーク、労基署があり、現場に近いところ。フェイストゥフェイスで指導、助言ができる」

 「若年者の失業率、離職率の高さは数字に現れている。県内志向や公務員志向が高いといわれるが、本当にそうなのか。ハローワークを通じて聞き取りし、分析した上で、対策を打つ必要がある。また非正規を正社員化した事業所に助成する『キャリアアップ助成金』などいろいろな支援メニューもあり、活用を促していく」(聞き手=学芸部・高崎園子)=第4部おわり。