県内農業でITの活用が徐々に広がっている。画像解析技術と人工知能(AI)で豚の体重を自動で量ったり、センサーによる水温・水位管理で、肥料や農薬を投入する時期を見極めたりし、労力軽減や収入増加につなげる。いずれも実証実験が始まったばかりで実用化はこれからだが、深刻化する担い手不足解消の一歩として、期待が高まっている。(政経部・久高愛)

豚の体調をチェックする沖縄南国フーズの従業員(手前)とNTTドコモ法人の佐藤志保氏=八重瀬町の沖縄南国フーズ

 八重瀬町で養豚業を手掛ける沖縄南国フーズでは、今月からAIを活用して豚の大きさから体重を測定する実験を始める。豚舎に設置した専用カメラで、出荷前の豚を一斉に撮影。画像処理技術で、それぞれの豚の大きさを割り出す。1頭ごとの大きさと体重のデータを蓄積し、AIで自動判別できるようにする。

 豚は飼育頭数が多く、個別の体重管理が難しいため、従来は生育日数を目安に出荷時期を決めているが、体重にばらつきが出ている。想定した体重より軽いと販売価格が安くなり、重いと肉質が落ちているとみなされ、単価が下がるという。体重を的確に把握し、最適な体重で出荷することで、収入を安定させる。

 米の産地、石垣島では水田に設置したセンサーで水位や水温を測定し、データをスマートフォンに送るサービスが試験的に導入される。農家はデータに基づき、効率的な農薬や肥料の散布につなげる。

 サービスを提供するNTTドコモ法人ビジネス部の佐藤志保氏は「ITを活用し農業の課題だった省力化と収益増を目指す。後継者が引き継ぎやすい環境を整備したい」と話す。

 沖縄セルラーアグリ&マルシェは、宮古島市でマンゴーハウスの温度や湿度のほか、マンゴーをカメラで監視。データから、生育状況を見極め、LEDなどのハウス内の機器を遠隔で操作する実証実験を始めた。マンゴーの生育不良を早い段階で察知し、対策を取ることで、収穫量の増加を目指す。