沖縄県糸満市の県平和祈念資料館に6日、2体の漆喰(しっくい)シーサーが寄贈された。開館した2000年に設置した6体のうち、2体がいつの間にかなくなっていることに制作した職人が気付き、復元した。同館の原田直美館長は「よみがえったシーサーがこれからも守ってくれる。大事にしていきたい」と礼を述べた。

寄贈した2体のシーサーを紹介する大城正秀さん=6日、糸満市・県平和祈念資料館

 寄贈したのは、創業約40年となる糸満市の「大城屋根瓦漆喰業」の大城正秀さん(65)。開館当時、漆喰シーサー2体を弟の勲さんと共に制作し、同館の入り口に設置した。ところが今年9月中旬、伯父と伯母の名前が刻まれた平和の礎を訪ねた際、同館に立ち寄るとシーサーがなくなっていることに気付いた。

 尋ねても、なくなった当時のことを知る職員はおらず、いつ、なぜなくなったのかははっきりしなかった。原田館長は「おそらく数年前の大型台風に飛ばされ、破損したのではないか」と推測する。大城さんはすぐに制作に取りかかり、無償で同館に寄贈した。

 シーサーは、横向きと正面向きで高さはそれぞれ約60センチと約40センチ。どちらも口を開けており、厄よけの役割を担う。

 当初のシーサーは柱との設置面が前足とおしりだけだったが、今回は設置面積を広くしてセメントや漆喰で固めた。「10年、20年でも倒れない丈夫なシーサーです」と大城さん。同館を設計した浦添市の設計事務所代表の福村俊治さんも祝福し「寄贈されることに感動した。沖縄の心を表現した場所なんだとあらためて実感した」と話した。