【東京】過去1年間に最も面白いと評価されたエンターテインメント小説に贈られる第8回山田風太郎賞(主催・角川文化振興財団など)の選考会が23日、都内のホテルであり、沖縄県出身の小説家、池上永一さん(47)の「ヒストリア」(KADOKAWA)が受賞した。賞金は100万円。贈賞式は11月24日に都内で行われる。

受賞作を手に笑顔を見せる池上永一さん=23日、東京・帝国ホテル東京

 「ヒストリア」は、沖縄戦で九死に一生を得た女性が戦後ボリビアへ移住し、未開拓の地で困難に出合いながら生き抜く波乱の生涯を描く。池上さんはボリビアの県人移住地「コロニアオキナワ」へ渡って取材し、物語の構想を練った。

 記者会見した池上さんは受賞の報に「取材したコロニアオキナワの日系3世の子どもたちが喜んでくれるといいな、と最初に思った」とし、「ボリビアの日系社会が少しでも注目されるようになれば」と話した。

 選考委員の京極夏彦さんは「圧倒的なスケール感と情報量をさばく巧みさ、小説としての深みがずばぬけていた」と評価した。