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餓死寸前「金網取って農耕させろ」 伊江島、住民記録が伝える苦闘

2017年10月25日 08:55

 1955年の「真謝日記」は、伊江島土地闘争初期の苦闘を伝える。一部が故阿波根昌鴻さんの著書「米軍と農民」(岩波新書)に引用されているだけで、ほとんど知られてこなかった。主な内容を紹介する。(表記は原文のまま)

「1955 演習に使われた1屯爆弾(真謝公民館前)」(阿波根昌鴻さん撮影、わびあいの里提供)

「1955 初めての看板(真謝)」(阿波根昌鴻さん撮影、わびあいの里提供)

「1955 演習に使われた1屯爆弾(真謝公民館前)」(阿波根昌鴻さん撮影、わびあいの里提供) 「1955 初めての看板(真謝)」(阿波根昌鴻さん撮影、わびあいの里提供)

 「他町村の、熱意に対し地元民が余(あま)りに、無関心すぎる」

 4月29日、「軍用地主問題村民大会」のあいさつで大城竹吉村長が嘆いた。土地を強奪され抵抗するしかなかった真謝区などの住民に比べ、当事者でない村内他地域の住民は軍事占領下で声が上げにくかったのかもしれない。

 「学生に弁当を持たさず、帰りに生イモをかじり(土曜)下痢もした。(三日間)現在、家畜を安売(やすうり)し生活して居る金網を取って賠償し、農耕させろ」

 「勝手に土地を取上げ救済するのが、気に喰(く)はん」

 6月7日、琉球政府の調査団に住民が窮状を訴える場面。わずかな補償を受け取れば強制接収を認めることになる、と警戒感もにじむ。

 「(土地を)既に使用されこれ以上取られたら死あるのみ」

 6月10日、今度は沖縄青年連合会(沖縄県青年団協議会の前身)の尚詮会長らが調査に訪れ、住民は死の恐怖を語った。実際に栄養失調で死亡者が出た。阿波根さんは著書で「全区民が、餓死寸前」と書いている。日記によると、尚会長は「米は、キリスト精神に反し、米自体が反米思想を造って居る」と指摘した。

 「タイムス名護記者、昨日巣ガモヨリの慰問品を送った」

 6月28日、大城村長、阿波根さんらが那覇に行く途中、名護に寄った。面会した本紙記者が言及したのは、巣鴨プリズンに収監されていたBC級戦犯がカンパした配給品とみられる。報道で伊江島の窮状を知った本土の人々による支援が始まっていた。

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