祖父母と会話がしたいと、しまくとぅばを学ぶ子どもたちが豊見城市にいる。夏休みに同市文化協会が開くうちなーぐち教室に通い、学んだ。祖父母が話す耳慣れない言葉への関心から、しまくとぅば語やびら大会の代表になるまでに成長した。祖父母らは「沖縄の言葉でも話したいね」とほほ笑む。(南部報道部・又吉健次)

祖父母と話したいとしまくとぅばを学んだ(前列右から)平敷瑠心美さん・瑠風君と、祖父母の(後列右から)田仲貴美子さん・康乗さん=那覇市寄宮

しまくとぅばについて語る(左から)當銘桜子さん、祖母・大城政子さん、母の當銘みどりさん、祖父・大城盛兼さん=糸満市武富

川上勝一さん

祖父母と話したいとしまくとぅばを学んだ(前列右から)平敷瑠心美さん・瑠風君と、祖父母の(後列右から)田仲貴美子さん・康乗さん=那覇市寄宮 しまくとぅばについて語る(左から)當銘桜子さん、祖母・大城政子さん、母の當銘みどりさん、祖父・大城盛兼さん=糸満市武富
川上勝一さん

 豊見城市真玉橋のとよみ小学校3年平敷瑠心美(るるみ)さんと1年瑠(る)風(かぜ)君きょうだいは、夏休みにある同市しまくとぅば子ども教室に通う。昨年に引き続き、今年も参加した。

 きっかけは、母美智代さん(41)の実家へ遊びに行った時のこと。祖父母の田仲康乗さん(67)、貴美子さん(70)夫婦=那覇市寄宮=がしまくとぅばで交わす会話に興味を持った。「何て話していたの」。2人は美智代さんに熱心に質問した。

 そんなときに教室を知った。「沖縄の大切な文化を、子どもに学ばせたかった」と美智代さん。きょうだいも「おじいちゃん、おばあちゃんとしゃべりたい。共通語じゃない言葉も知りたかった」と話す。

 教室では「ちゅい(一人)」「たまなー(キャベツ)」など、身近な単語から学んだ。最後は発表会で、作文や物語をしまくとぅばで覚えて披露する。きょうだいは今年8月、同市高安の拝所を舞台にした教訓話「高安(タケーシ)ヌビジュン」で発表会の最優秀賞に輝き、来年度の「しまくとぅば語やびら大会」の県大会出場が決まった。

 「あきさみよー」を連発しては笑い、「んすなばー(フダンソウ)」といった“ん”から始まる単語があることに驚いた。2人は「沖縄の言葉が少し分かった」とはにかむ。

 祖父の康乗さんは子ども時代、学校でしまくとぅばを使うと、教師に物差しでたたかれた。時代の変化を感じつつ、「沖縄の言葉で会話できたら楽しいと思う」と期待する。

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 豊見城市翁長の高校1年當銘桜子さんは小学4年の時、しまくとぅば子ども教室に通った。祖母の戦争体験を基に、平和の大切さを伝える「命(ぬち)ドゥ宝」を発表した。「命どぅ宝んでぃる言葉(くとぅば)大切(てーしち)にし、世界(しけ)ぬ人々(ひとぅびとぅ)んかいん広(ひる)みてぃいけやぁーんでぃ思(うむ)といびぃーん(命こそ宝という言葉を大切にし、世界の人々に広めたい)」と訴えた。

 友達が通っていたため気軽に参加した。家族の歴史をより深く知るきっかけにもなった。祖母・大城政子さん(77)=糸満市武富=は「しまくとぅばは共通語以上に自分の思いを伝えることができる。沖縄の言葉をもっと分かってほしいと思いますね」と語る。

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 教室は今年で13年目。豊見城市文化協会の川上勝一さん(78)が「伝統文化を盛んにするには、まず言葉から」との考えで始めた。通う子どもの半分は、祖父母らと話したいことがきっかけという。自身も琉球民謡を教えており「言葉に関心を持つことで三線や組踊など沖縄の芸能につながったらうれしい」と期待する。