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基地、沖縄振興に触れず 首相所信表明演説 野党「不誠実」与党「実務型」

2017年11月18日 11:43

 安倍晋三首相は17日の所信表明演説で、基地問題や振興など沖縄の課題に触れなかった。「沖縄」に触れなかったのは2005年9月に「郵政解散」で勝利した小泉純一郎首相以来、12年ぶり。北朝鮮情勢や少子高齢化に向けた対策を強調する一方、沖縄の米軍基地問題に言及しなかったことに、県選出、関係の国会議員の与党側は「実務型」と評価、野党側からは「不誠実」と批判する声が上がった。

安倍首相による所信表明演説が行われた衆院本会議=17日午後

 共産の赤嶺政賢衆院議員は「森友・加計問題に一切触れていないのは、政治の私物化批判が広がることを恐れたから。沖縄の諸課題からも逃げた。憲法9条改悪阻止、普天間基地撤去、辺野古新基地阻止求める論戦の先頭に立って奮闘する」との認識を示した。

 社民の照屋寛徳衆院議員は「沖縄の基地問題の解決、振興策については全く言及していない。総選挙に勝利し、安倍政権はおごり高ぶっている。改憲問題、基地問題、振興策などウチナーンチュの尊厳を守るため国会論戦を果敢に挑んでいく」と決意を見せた。

 自由の玉城デニー衆院議員は「開会から間を開けた所信は総理の願望である憲法改正や消費増税が国民の信を得たかのような内容に相当な違和感と強い憤りを感じた。沖縄の問題にひと言も触れないのは軽視の極み。看過許さず論陣を張ってあたる」とコメント。

 自民の西銘恒三郎衆院議員は「実務的な所信表明だ。選挙公約の全世代型社会保障で3歳から5歳の幼稚園保育園の費用を無償化すると力強く宣言。生産性革命と人づくり革命を断行し経済再生を確実にし賃上げ実行。仕事師内閣だ」と評価した。

 自民の国場幸之助衆院議員は「幼児教育無償化に認可外も対象とし、クルーズ船受け入れの優遇措置確保や米軍事故対応等、沖縄の課題に既に取り組んでいる事が反映されていない点はあるが引き続き部会や委員会等で公約実現に取り組む」と話した。

 維新の下地幹郎衆院議員は「『国難』と表明するなかで、北朝鮮問題のみがクローズアップされたことに違和感を覚えるが、幼児教育の無償化について言及し、わが党が主張してきた『教育費の完全無償化』が始まることは評価したい」と受け止めた。

 沖縄の風の糸数慶子参院議員は「北朝鮮脅威をあおり、強固な日米同盟の下でのミサイル防衛強化を正当化する一方で、不平等な地位協定の下で米軍基地の危険にさらされる沖縄県民への配慮の片りんも見せない不誠実極まりない所信表明だ」と批判した。

 沖縄の風の伊波洋一参院議員は「沖縄の基地負担軽減や経済振興に言及がない。待機児童、子どもの貧困、不安定雇用、鉄道がないなど本土との格差は、沖縄戦と米軍統治および基地集中が原因。国に責任がある」と県民のための政策を求めた。

 維新の儀間光男参院議員は「国政で取り組むべき課題は示されているが、総理は去る総選挙期間中、事あるごとに国民に対して丁寧に真(しん)摯(し)に責務を果たすと発言を繰り返した経緯がある。真に謙虚に国民と向き合えるか、試されることになる」と注視する姿勢を示した。

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