あるはずのない場所に「山」ができて20年近くなる。事業活動に伴って出る産業廃棄物や焼却灰を積み上げてきたごみの「山」。沖縄市の産廃処理業者が違法に築き、地域住民を長年悩ませてきた

▼県はこの大手産廃業者「倉敷環境」が、グループ会社の敷地内にごみを不法投棄したとして産廃処分業などの許可を取り消した。度重なる県の改善命令に従わず、処理能力を超えた業務が立ち行かなくなった果てといえる

▼違法行為への厳しい対処は当然だ。ただ、腑に落ちないのは「ごみ山」の処理をだれがどう進めるのか、同社が扱っていた産廃物の受け入れなど具体的な道筋がみえないことだ

▼許可取り消しという重い処分は、一企業だけの問題にとどまらない。他の処理業者や排出事業者、収集運搬事業者などへの影響も少なくなく、経済活動の根幹も揺るがしかねない

▼県は県内での処理はおおむね可能といい、廃棄物の排出の抑制やリサイクル推進、分別の徹底などを呼び掛ける。違法状態を断ち切る判断と合わせて、処分後の対策の提示を含めた丁寧な説明がほしい

▼言うまでもないが、産廃物は人間の活動が生み出すもの。出す側、処理する側、指導する側の責任も問われる。地域住民が最も知りたいのは「ごみ山」の行方。実効性ある環境行政の手腕も試されている。(赤嶺由紀子)