沖縄県アジア経済戦略課は22日、三高水産(糸満市、馬詰剛社長)や国などと連携し、県産鮮魚の中国・上海への輸出にかかる時間を短縮する体制を構築したと発表した。中国への輸出は各種証明書が必要で書類をそろえるのに約1週間かかっていたが、書類発行機関に事前申請することで時間を短縮した。上海では富裕層を中心に刺し身など鮮魚の需要が高まっており、県は低迷する中国向け食品の輸出拡大につながると期待している。

上海向け鮮魚の輸出体制

 東日本大震災以降、中国への鮮魚輸出は放射能検査や産地などの証明書が求められ、国内での検査を経て、水産庁や保健所に申請する必要がある。すべての書類をそろえるのに1週間程度が必要だったため、鮮度が求められる生マグロなどの高級魚の輸出はほとんどなく、県内に取り扱う業者もなかったという。

 三高水産が輸出に意欲を見せたことから、県は関係機関と連携、証明書を1週間前に事前申請しておき、輸出当日に内容を点検する方式に変えた。2015年8月から始まった農水省の電子申請システムも活用し、沖縄総合事務局で証明書を受け取るなど即日発行の体制を整えた。

 17年2月からは三高水産を通じてビンチョウマグロの輸出実験を5回実施。10月には上海市内の高級日本料理店で試食会を開催し、好評を得たという。

 馬詰社長は「22日にも300キロを輸出した。日本料理店以外でも富裕層を中心に需要がある。県産マグロのブランド力を高めたい」と手応えを語った。本年度は試用期間と位置付け、18年度はマグロ20トン、売り上げ4千万円、19年度は50トン、1億円を見込む。

 県アジア経済戦略課の仲栄真均課長は「今回の事例を基に、他の水産物の輸出も増やしていきたい」と話した。

 県によると、2016年の沖縄からの食品・飲料輸出額は中国が7524万円。鮮魚や肉類などの輸出が容易な香港や台湾は、それぞれ10億6291万円、4億4221万円となっている。