今年は日本で国産商業アニメーションが誕生して100年の節目の年だ。国産第1号作品は宮古島生まれの風刺漫画家下川凹天(へこてん)の「凸坊新画帖芋助猪狩の巻」で、東京浅草の「キネマ倶楽部」で1917年1月に封切りされたという

▼凹天については大城冝武さんが本紙文化面などで紹介し、2009年には宮古島で回顧展も開かれており、ご存じの方も多いだろう

▼残念ながら凹天の作品は見つかっていないが、同時期の漫画家幸内純一作の「なまくら刀」は東京国立近代美術館フィルムセンターの特設ウェブサイトで全編を見ることができる

▼登場人物の動きや細かい表情の描写に驚かされる。手探りで制作を進めた先駆者たちのセンスが光る。公開は年末までの期間限定で、1941年までに上映された64編が楽しめる

▼モノクロで地味だが、米アカデミー賞を受賞した「千と千尋の神隠し」や、最近の「この世界の片隅に」のヒットにつながる日本アニメの可能性が感じられる

▼この1世紀で日本を代表するエンターテインメントに成長し、世界中にファンも広がった。英語圏の辞書に「ANIME」の意味は「日本のアニメのこと」と収録されるほど国際的認知度も高い。この先、日本アニメはどんな進化を遂げるのか。黎明(れいめい)期の作品を見ていると、まだ見ぬ傑作への想像がふくらむ。(玉城淳)