大弦小弦

[大弦小弦]「全国流通しない地方出版物を、鳥取県民が勝手に応援しよう…

2017年11月28日 07:18

 「全国流通しない地方出版物を、鳥取県民が勝手に応援しよう」。老舗の書店や和菓子屋など、鳥取の本好き有志が「ブックインとっとり・地方出版文化功労賞」を設立してから10月で30周年を迎えた

▼毎秋、地方出版の新刊約500冊が鳥取県立図書館に展示され、来場者が投票。絞られた約15冊を半年かけて審査する。過去の受賞作では富山県の桂書房が出した青木新門氏の「納棺夫日記」が有名だ。光が当たり、映画「おくりびと」が作られた

▼一極集中としがらみを除くため、東京23区と地元鳥取の出版物は対象外。実行委の一人、永井伸和さん(75)は「東京発が全てではない」と語る

▼「地方出版はさまざまな人間の活動を記録する多様性の砦(とりで)。そこが元気にならないと民主主義は育たない」。行政の補助金は受け取らない。「知る権利や表現の自由に関わる。痩せ我慢しないと」

▼本紙で連載し出版した証言集「基地で働く 軍作業員の戦後」が2年前、奨励賞を受けた。沖縄戦を生き抜いたのに、身内を殺した米軍基地で働かざるをえなかった人々の思いが鳥取の人たちに届いていた

▼政府による新基地建設の強行などが「なぜ全国に伝わらないのか」といら立つ時がある。それでも、受け止めてくれる人たちは必ずいる。民主主義を守ろうと歯を食いしばり、踏ん張っている。(磯野直)

基地で働く―軍作業員の戦後
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