「法律婚・事実婚、同性、異性にかかわらず、配偶者、パートナーとして接遇するように」。河野太郎外相が外国首脳など賓客への対応を事務方に指示した。これだけ聞くと何でいまさら、と思ってしまう

▼自民党の竹下亘総務会長が、宮中晩さん会への国賓の同性パートナーの出席に反対する発言を受けたものだ。接遇の内容はごく普通なことだと思うが、外相が指示をしなくてはいけない日本の現状が情けない

▼竹下氏は自民党の会合の講演で、フランスの前大統領が事実婚の女性と来日したことに触れ、「(国賓の)パートナーが同性だった場合、どう対応するのか。私は(出席に)反対だ。日本国の伝統には合わないと思う」と述べた

▼竹下氏は「言わなきゃよかった」と反省したが、人権軽視の言葉は単なる失言で済まされない。多様性を認めようという国際潮流に逆行する

▼性的少数者(LGBT)の支援を巡っては、国際的に法的保障を認める流れがある。多くの支援が広がる一方で、誤った理解や偏見はまだある。政治家の差別的な発言が、支援の流れや外交にも水を差しかねない

▼同性カップルの法的保障などを求め支援する団体は「性的指向の直接・間接的な差別」として発言撤回を求める声明を出した。多様な価値観に向き合い、理解を深めるのが政治家の責任だろう。(赤嶺由紀子)