来月成人式を迎える沖縄県読谷村の10人が2日、72年前の沖縄戦で「集団自決(強制集団死)」が起きた村波平のチビチリガマに入り、凄惨(せいさん)な歴史を学び直した。村内の学校での平和学習に組み込まれているが、9月に少年によって荒らされた損壊事件を受け、新成人を対象に初めて企画された。参加者は「遺族の悲しみ、悔しさを自分のこととして身をもって感じた」と、教育の大切さをかみしめ、継承への決意を語った。

足元の歴史を見つめ直し、継承しようとチビチリガマに入り、知花昌一さん(左端)から72年前の話を聞く読谷村の新成人=2日午後、同村波平

 村教育委員会が昨年始めた新成人対象の「読谷講座」の一環。新成人でつくる式典実行委員からチビチリガマを学びたいとの要望があり、初めて実施された。

 講師は、証言聞き取りや平和学習の案内を続ける知花昌一さん(69)。参加した新成人の男女10人はガマの中まで入り、住民が死に追い込まれた当時の状況の説明を受けた。

 遺骨や遺品が残る蒸し暑いガマの中。72年前、ガマに避難した住民約140人のうち85人が亡くなったこと、捕虜にならずに死を選べという当時の国の教育が悲劇を招いたことなどが知花さんから伝えられ、10人は真剣な表情で聞き入っていた。

 地元波平の新垣昂汰さん(20)は「来たのは幼稚園のとき以来。ガマの中は酸素が薄く感じ、明かりもない。当時の苦しさや状況が理解できた」と肌で感じた様子。

 初めてガマ内に足を踏み入れた屋良洋那さん(20)は「『集団自決』の場であることは知っていたが、人数や状況など詳しいことを初めて理解した。私たちには命の大切さを伝える役目があると実感した」と神妙な面持ちで語った。

 長山莉久さん(20)は「大事な場所を荒らされた遺族の悲しさ、悔しさを自分のこととして感じた。ここでの出来事を自分たちが次の世代に伝えていきたい」と決意を新たにした。