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行き場のない米軍ごみ、悩む沖縄の自治体 全国では相模原市が受け入れ

2017年12月10日 07:20

 沖縄の産業廃棄物処理業者「倉敷環境」の営業許可取り消しで、行き場を失った米軍基地内のごみの受け入れを認める自治体が出始めている。いずれも米軍などの要請を受けたもので「分別ルールの徹底」が条件だ。一方、周辺住民への説明や施設の容量不足、米軍への指導法など、さまざまな事情で受け入れを渋る自治体は依然として多い。(社会部・伊藤和行、篠原知恵、浦添西原担当・伊禮由紀子)

米軍基地の住宅区域にためられた家庭ごみ=7日、キャンプ瑞慶覧(比嘉太一撮影)

◆住民の理解が先

 「受け入れは決まっていない」。7日、本紙が「那覇市・南風原町環境施設組合が基地内ごみを受け入れる方針」と報じると、組合職員は周辺自治会に電話し“火消し”に走った。南風原町新川にある処理施設は2005年に完成するまで、不安視する住民と繰り返し協議がもたれてきた。

 組合の上江洌清尚事務局長は「住民との信頼関係で成り立っている。説明し合意を得なければ、米軍ごみの受け入れはできない」と強調する。

 金武町と宜野座村で構成する「金武地区消防衛生組合」には1日、米軍から「キャンプ・ハンセン内のごみを受け入れてほしい」と電話があった。米軍は「1日軽トラック2台分の家庭ごみ」と説明したが、同組合は「現状のごみ処理でいっぱいで、キャパはない」と断った。担当者は「住民から、米軍ごみは入れてほしくないという声もある」と明かした。

◆異臭などを懸念

 一方、8日までに受け入れを決めたのは浦添市と「中城村北中城村清掃事務組合」。

 埋め立て地に焼却施設がある浦添市は「キャンプ・キンザーにごみが放置されており、異臭など市民生活に影響が出ることを懸念した」と説明。ごみの分別は、回収時に市でチェックする考えだ。

 同組合は「分別されていれば、受け入れない理由はない」と言う。処理施設の建て替え時、基地内ごみを処理する条件で当時の那覇防衛施設局から補助金を得ているためだ。ただ担当者は「分別されていることをどう担保するのか、具体的な検討はまだしていない」とも話した。

◆相模原市では…

 すでに基地内ごみを受け入れてきた自治体が神奈川県にある。米陸軍の住宅地や補給所などがある相模原市だ。同市によると基地内の焼却施設が故障し、昨年12月から市の処理施設で月約130トンを受け入れている。

 民間の収集運搬業者が分別を行い、搬入時に市側が中身をチェックしているという。担当者は「米軍から民間事業所と同じ料金を徴収している。今のところ、不純物が出るようなことも起きていない」と説明した。

◆米と事前協定を

 ごみ問題に詳しい沖縄大学の桜井国俊名誉教授(環境学)によると廃棄物処理法上、自治体は区域内の一般廃棄物を処理する責務がある。だが基地内は国内法が適用されないため、処理の責務は自治体にはないと考えられるという。

 「市民生活への影響を考え、自治体が可能な範囲で受け入れることは理解できる。だが分別されていなかった場合、ダイオキシン発生などさまざまな問題が懸念されるため、米軍側と事前に協定を結び、何か起きた場合の賠償責任などを明確にしておくべきだ」と指摘した。

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