玉木病院は、開放的な地域精神医療で全国の先駆けをなし、著者は精神保健福祉士、事務長として医療、経営を担った。無論、小説家、批評家でもあり、その三様の立場が微妙に影響を与え合い、陰影に富んだ文章群となっている。本書は全9章に分かれ、どこから読んでもいいだろう。むしろ、その方が良いかもしれない。