廃棄物処理業大手「倉敷環境」(沖縄市池原)の営業停止により、不法投棄が増えるのではないかと周辺住民が危機感を募らせている。同社周辺では住民から不法投棄の苦情が相次ぐ。行政が描くシナリオとは裏腹に、他の焼却施設への搬入は進んでいないとみており、不信感が広がっている。16日、市内の3自治会が監視パトロールを行った。記者も同行し、不法投棄の現場を確認した。(社会部・伊藤和行)

不法投棄されたごみを前に「年末を迎えさらに増えるだろう」と心配する外間攻生さん=16日、うるま市兼箇段

不法投棄されたごみを前に「年末を迎えさらに増えるだろう」と心配する外間攻生さん=16日、うるま市兼箇段

 カラーボックス、ビーチェア、ござ、一斗缶…。沖縄市池原と接するうるま市兼箇段の県道沿い。池原地区の自治会顧問外間攻生さん(73)が指さす駐車場には、家庭ごみが散乱していた。外間さんは「昨日はなかったごみがある。倉敷環境の営業停止で不法投棄は増えている」と厳しい表情で言った。

 近くには無縁仏の合同墓がある。駐車場脇の階段を下りると、墓の前には自転車が放置され、使用済みのオムツやタイヤなども捨てられていた。外間さんは「県は『受け皿』があると言うが、別の焼却場は遠くて値段が高い。現実が分かっていない」と憤った。

 パトロールには、倉敷環境の周辺にある池原区、登川区、知花区の3自治会から計6人が参加。県が同社の産業廃棄物処分業などの許可を取り消した11月20日以降、各区の住民から「不法投棄された」などと苦情が相次ぎ、自主的にパトロールを始めたという。

 約2・5キロ南西の知花城跡(沖縄市知花)へ移動した。林道を登ると、茂みの中にばらばらになったエアコンや洗濯機、マットレスなどが捨てられていた。知花自治会の宇良敢会長(57)は「地域行事や祈願をする地元の聖地なのに…」と顔を曇らせる。

 約1年前、沖縄市に頼み「不法投棄監視中」の看板を立てた。だが、夜は人通りがほとんどなく「いつまた投棄されるか分からない。悲しいが、監視カメラの設置を考えなければ」と話した。

 以前から不法投棄が問題となっている米軍嘉手納弾薬庫知花地区のフェンス沿いを歩いた。あちこちにタイヤや家電製品などが山のように積まれている。ハエがたかる袋には、外国製のソース瓶やアイスクリームカップが詰め込まれていた。「車から投げ捨てていくんだろう」と登川自治会の仲宗根義明会長。「行政に訴えても『ごみは地主が片付けるべきだ』との答え。だから解決しない」とため息をついた。

 フェンス内では、マスクをした作業員がショベルカーでがれきを撤去していた。作業員によると、牧港補給地区の倉庫群が移転するため、2カ月前からごみ撤去を請け負っているという。がれきの山に積まれた車や冷蔵庫を見ながら、「まだ奥にたくさんありますよ。終わりが見えません」とあきれ顔で言った。