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日本政府に当事者意識や危機感あるか? 米軍ヘリ飛行再開で識者に聞く

2017年12月20日 08:15

 普天間第二小学校に米軍CH53Eヘリの窓が落下してから1週間もたたない中、米軍は同型機の飛行を再開した。飛行停止を求める子どもたちや地域住民の切実な声を聞き入れず、訓練を強行する米軍と、それを容認する日本政府に反発が広がる。この状況をどう見るか、識者に話を聞いた。

飛行訓練を再開した米軍のCH53E大型輸送ヘリ

木村草太さん

喜多自然さん

柳澤協二さん

飛行訓練を再開した米軍のCH53E大型輸送ヘリ 木村草太さん 喜多自然さん 柳澤協二さん

■安全を守る義務、国に 木村草太さん

 憲法学者で首都大学東京教授の木村草太さんは「日本政府は、国民の安全を守る義務があると憲法13条で明記されている。当然、政府が責任を持って命の危険がないように対処すべき要件だ」と断言する。

 県民の飛行停止要求を無視し、事故原因の説明すらないままの飛行再開については「飛行計画について、地元自治体と合意の下で計画を練っていくことが本来の在り方。日本政府は米軍に説明を求め、丁寧に地元自治体へ説明し、了承を得るプロセスが欠かせない。そのどれもが行われていない」と問題視した。

 また戦後72年、本土復帰45年を経ても、米軍絡みの事件事故による危険性が放置されている現状に言及。「日本政府に当事者意識がないことが最大の問題で、米軍基地の沖縄への集中が根っこにある。東京の小学校で同様な事故が起きたら、反応はもっと大きくなるはずだ」と批判した。

■特異的な日米地位協定 喜多自然さん

 日米地位協定に詳しい喜多自然(じねん)弁護士は昨年の名護市安部でのオスプレイ墜落、東村高江でのヘリ炎上、さらに今回の落下事故でも原因究明がないまま飛行再開したことを問題視。「日本は主権国家。国民の命が脅かされているのに、長い慣行と対米従属から抜け出せない。それが一番の問題だ」と語る。

 日本と同じく米軍が駐留するイタリアでは、重要な軍事行動には政府の承認が必要という。大事故をきっかけに、同政府は米軍の低空飛行訓練を厳しく制限措置した例を紹介し「米軍基地のある各国と比べても、日米地位協定は特異だ。国際的な視点で米軍基地の在り方を捉え直す必要がある」と訴えた。

■日米政府に危機感なし 柳澤協二さん

 元内閣官房副長官補の柳澤協二さんは「米軍に飛行をやめる気はなく、日本政府も、米軍が駐留している以上は訓練が必要と思っている」と指摘。

 「沖縄の反対運動に火が付き、基地が維持できなくなるという危機感がない。日米両政府にその危機感がなければ沖縄の声は届かない。持続的な運動を展開していくしかない」と話した。

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