10月に米軍ヘリ炎上事故があった沖縄県東村高江区は23日の代議員会で、事故対応に関して米軍から贈られた感謝状を返すことを決めた。「事故原因の説明が先であり、感謝される理由がない」と判断した。事故現場で牧草を育てる西銘晃さん(64)も感謝状を返す意向で、双方とも村役場に託す。
感謝状は在沖米軍トップの四軍調整官を兼任するニコルソン第3海兵遠征軍司令官名。15日、仲嶺久美子区長らが北部訓練場に招かれ、贈呈された。
「われわれの迅速な対応や機体撤去」を自賛した上で、「高江区民のご厚意と忍耐強さは沖縄の素晴らしい精神を想起させた」「ご理解に感謝し、ご不便をおかけしたことをおわびする」などと記していた。
米軍は同じ15日、西銘さんの自宅も訪問して感謝状を手渡した。炎上したCH53Eヘリ周辺の大量の土壌撤去について「ご協力とご理解によって素早く円滑に実施できた」とする内容。
西銘さんは「事前に土壌撤去の説明すら受けていない。協力も理解もしていない」と反論。「全て一方的に進めておいて、こちらが我慢したことにお礼を言うという態度は認められない」と話した。
米軍は仲嶺区長と同時に、東村の伊集盛久村長にも感謝状を贈っている。