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住民の声に耳傾けぬ国 宮古・石垣の陸自配備【2017ニュースその後・3】

2017年12月27日 11:45

 防衛省が南西諸島で計画している陸上自衛隊配備で、沖縄県宮古島市上野野原での駐屯地建設工事が11月20日、始まった。建設現場の千代田カントリークラブ地区を抱える野原、千代田の両部落会は配備反対を決議しているが、防衛省は「防衛の空白地帯を埋める」との方針を繰り返し、着工。耳を傾けない国の姿勢に住民の不信感は募る。

千代田カントリークラブ地区への陸自駐屯地建設に反対する野原部落会の住民(手前)=11月19日、宮古島市・野原農民研修所

 野原部落会の仲里成繁さん(64)は「集落にはすでに航空自衛隊基地があり、駐屯地ができれば挟まれてしまう。『暮らしを脅かす人権問題だ』と防衛省に訴えても、聞く耳を持ってもらえない」と反発を強める。

 野党市議や市民団体は、地域の理解を得ないまま工事を進める防衛省に工事中断を求めるべきだと下地敏彦市長に訴えるが、下地市長は防衛省と地域の問題とのスタンスで静観し、工事が進んでいる。駐屯地は22ヘクタールの敷地に、隊庁舎や宿舎などを建設し、2019年2月末までに完成予定。

 防衛省は駐屯地に地対空、地対艦ミサイル用の計7基の発射機を置く一方で、ミサイルを保管する弾薬庫は市内の別の地域への配備を計画する。有力な候補地とされる市城辺保良(ぼら)では、正式決定前に断念を求めるとして保良部落会が今月10日、反対を決議、市内全域での配備反対の署名活動を計画している。

 一方、石垣市では昨年末に中山義隆市長が配備手続きを了承し、防衛省の動きが加速。予定地の平得大俣地区で測量や地権者らとの調整を始めた。5月には弾薬庫や射撃訓練場など施設配置案を示し、次年度での用地取得を目指している。

 中山市長は配備に理解を示しながらも「最終判断ではない」とする。予定地近隣の開南、於茂登、嵩田、川原の4地区を中心に反発は根強いが、市議会では与党が住民投票条例案を否決した。

 予定地に最も近い開南では配備への考え方で住民間に分断の兆しも。小林丙次公民館長(56)は「心理的わだかまりがあり、行事に参加しない人もいる。国の進め方はどう考えても理不尽。島全体の問題として市民は考えるべきだ」と話した。(宮古支局・仲田佳史、八重山支局・新垣玲央)

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