「県民の台所」として60年以上親しまれた那覇市樋川の農連市場が11月に閉鎖された。隣接地に約120店舗が入居する新施設「のうれんプラザ」が整備され、農連市場から移転した店舗や店子(たなこ)らが営業を続け、新規出店の小売店や飲食店も入る。農連市場の特徴だった「相対売り」の継承や、切れ目のないにぎわいの創出を目指す挑戦が続いている。

野菜や正月のしめ縄などを並べ、相対売りする関係者たち=27日午前4時半ごろ、那覇市樋川・のうれんプラザ

 平日の午前0時ごろ、一部の総菜屋などが仕込みを始める。3時ごろから店子や農家らが野菜を並び始め、仲買業者や飲食店関係者らも続々と訪れる。4〜6時が市場エリアの一番にぎわう時間帯で、野菜が入ったかごや段ボールが次々と運ばれる。店子らは野菜を売り切ると店を閉め始め、午前中で多くの店が営業を終える。

 一方、小売店や飲食店の多くは同10時ごろにオープン。昼食時間帯には満員になる飲食店もあり、お酒を提供し、夜まで営業する店もある。

 市場エリアと小売り・飲食店エリアで営業時間が異なるため、集客やにぎわう時間帯が分散。日中や、市場の店舗が休みの日曜日に訪れると、シャッターが下りている店が目立ち、閑散としているようにも見えてしまう。

 同施設を管理運営する「のうれんプラザ運営室」の松田博幸室長は「午前10時ごろが、一番多くの店が営業していて、店の魅力が楽しめる」とPRする。集客アップを課題に挙げ、「来年1月には商店会を結成し、集客イベントなどを話し合っていきたい」と説明。日中の一般客の増加を目指し、来年1月6〜8日には正月セールも実施する。

 農連中央市場事業協同組合の備瀬守代表理事は「順調とまでは言えないが、市場は盛り上がってきている。移転後、相対売りに農家2〜3人が新たに加わった」と手応えを語る。

 多くの市場店舗が午前中に営業を終えることを受け、農家が売り残した野菜を組合が買い取り、日中も販売を続けられないかなど、解決策を模索する。備瀬代表理事は「売れれば農家のためにもなる。営業や品ぞろえが日中も続けば、施設全体の活気にもつながる」と話した。(社会部・浦崎直己)