沖縄県土木建築部が、那覇市首里の県道29号(龍潭通り)に、戦前にあった世持橋(よもちばし)の高欄(こうらん)(欄干)を復元する方向で調整していることが29日までに分かった。県土建部は現在、復元にかかる費用や材料、工法などについて検討を進めている。

戦前まで架けられていた世持橋。橋の向こうには龍潭や当時の沖縄師範学校校舎が見える(沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館より提供)

戦前まで架けられていた世持橋。橋の向こうには龍潭や当時の沖縄師範学校校舎が見える(沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館より提供)

 世持橋は1661年に架橋されたが、沖縄戦でほとんどが破壊された。首里城の北側にある池「龍潭」の水位を調整する水路にかかっていた。

 高欄の下部分には「羽目」と呼ばれる石板に魚や貝、水鳥などの模様が彫刻されている。沖縄における石材彫刻の傑作と評されており、「世持橋勾欄(こうらん)羽目(はめ)」は、1956年に県指定有形文化財に指定された。

 那覇市は2002年、景観形成を図るため、龍潭通りの沿線地区を都市景観形成地域に指定。市が当時定めた景観形成基準には「世持橋を再現し歴史的景観に寄与する」との記載がある。

 沖縄考古学会の當眞嗣一会長は羽目の彫刻は非常に貴重なものだとし、「高欄を再現する県の意気込みは素晴らしい。本物に似せるようなものを造ってもらいたい」と期待した。

 県土建部が高欄の復元を検討している位置の付近には、明治以前に造られたとみられる全長約60メートルの旧水路の遺構が発見されている。