那覇市首里の中城御殿跡から龍潭に面した県道29号(龍潭通り)の沿道下から、明治以前に造られたとみられる旧水路の遺構が発掘されたことを受け、県は5日、旧水路を埋め戻すことを決めた。今後、旧水路を現状のまま保存することも視野に、擁壁の設置工事の工法を見直す。県立埋蔵文化財センターの調査終了後、早ければ2月にも埋め戻し工事に着手する予定。

埋め戻しが決まった全長約60メートルの旧水路の遺構=那覇市首里当蔵町・龍潭通り

 旧水路を巡っては沖縄考古学会や県選出国会議員、県議などから保存と活用を求める声が上がっていた。

 県道路街路課の担当者は「擁壁の位置をずらすなどして、道路の安全性も確保できるような設計の見直しをしたい」と説明。検討や地元への説明会なども含め、結論を出すまでに約半年から1年程度かかるという。

 昨年8月、全長約60メートルの旧水路が発掘されたことを受け、県は擁壁の設置工事を一時中断。県立埋蔵文化財センターが今月中に調査を終え、本年度内に約20メートルを取り壊して擁壁を支える柱を打ち込む計画だった。県に同遺構の保存と活用を求めていた沖縄考古学会の當眞嗣一会長は「壊そうとしていた文化財が保存されるならば、大きな前進になると思う。これからの文化財を活用したまちづくりを考えるきっかけになってほしい」と要望した。