沖縄空手

空手の伝統継承、己との闘い 信念胸に日々鍛錬と研究

2018年1月9日 19:30

【次代の肖像】沖縄伝統古武道保存会文武館 仲本守館長(46)

 「伝統を消せば何も残らない。沖縄らしい、ここにしかないものを守っていく必要がある」。沖縄伝統古武道保存会「文武館」(那覇市首里鳥堀町)の仲本守館長(46)=教士八段=は前を見据え、技の継承と門下生育成へ決意をにじませた。昨年1月、県指定無形文化財「沖縄の空手・古武術」保持者で父・仲本政博氏(79)から館長を継いだ。6歳で空手を始めて40年。2代目は日々技の鍛錬と研究を重ねながら、使命を胸に自己との闘いを続けている。(学芸部・中島一人)

棒術の稽古に励む仲本守館長=那覇市首里鳥堀町・文武館(中島一人撮影)

父・仲本政博氏(右)からサイの指導を受ける仲本守館長

棒術の稽古に励む仲本守館長=那覇市首里鳥堀町・文武館(中島一人撮影) 父・仲本政博氏(右)からサイの指導を受ける仲本守館長

 「小さいころはやんちゃ」。小学生の時、トランポリンで頭を強打し、けがをした。今も残る傷をなでて笑う。一方で半強制だった空手は休まなかった。4人兄弟の次男。政博氏は「兄弟の中でも形が秀でていた」と振り返る。

 高校に入って小・中学生の指導を任され、稽古・指導にまい進した。だが、周りが見え始めた20代のころ、一時営業マンに憧れた時期もあった。「自分しかできないことをやろう」。人生の分岐点。決断は空手・古武道を継ぐ-だった。「純粋に好きなんでしょうね」。今はもう進む道に迷いはない。

 これまで数々の県内、世界の古武道大会で優勝。2010~13年まで中国福建対外経済貿易職業技術学院(大学に相当)で空手を指導した。いわば文化の「逆輸出」。今も中国との交流は続いている。足跡は輝かしく、活動は精力的だ。

 政博氏は空手を首里手の大家・知花朝信氏、その高弟の名嘉真朝増氏、古武術を平信賢氏に師事。1971年に文武館を開設した(現在会長)。父の背中は、果てしなく大きい。「父が大事にするのは礼儀。指導は論理的なものもあるが、感覚的」と言う。教えを受けても自分なりにそしゃくして一歩ずつ精進していく。「ひたすら繰り返す。そうして気付くものが必ず出てくる」

 空手と古武道を稽古することで、それぞれ気付かなかった点、つながりが見えてくることも多い。現在、集中している稽古は棒術だ。「気は早く、心は静か、身は軽く、目は明るく、業(わざ)は列(はげ)しく」。政博氏が記した心構えの書の下、一心不乱に励む「佐久川の棍」。この型を編み出したとされる唐手佐久川(佐久川寛賀)は仲本家の祖母方の祖先にあたる。政博氏が見つめる中、高低、緩急をつけた動きは気迫に満ち、視線は鋭かった。

 ベルギー、フランス、カザフスタンと多くの門下生が汗を流し、毎年首里の文武館を訪れ、研さんを積んでいる。「首里に来たら本当のもの、伝統の空手と古武道が残されている、と。世界に普及させていく意味でも、しっかりと根付かせていきたい」。穏やかな口調にも、燃え立つ信念をのぞかせた。

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 「次代の肖像」では代々道場、流派を引き継ぐ空手家を紹介していきます。(随時掲載)

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