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落ちる恐怖「変わらぬ」沖縄の保育園事故1カ月 園長、憤り続く

2018年1月8日 11:44

 沖縄県宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園に米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリから円筒状の部品が落下したとみられる事故から、7日で1カ月が過ぎた。米軍は落下を認めず、何事もなかったかのように園上空を飛び続けている。事故6日後には普天間第二小学校の運動場に同型ヘリから窓が落下。さらに6日、普天間所属のUH1Yヘリが伊計島に不時着した。神谷武宏園長(55)は「米軍は、飛ぶ下に人間がいる感覚がない。あればもう飛べないはず。どういう神経をしているのか」と相次ぐ事故に憤りを隠さない。

落下事故から1カ月を振り返る緑ヶ丘保育園の神谷武宏園長=5日、宜野湾市野嵩

 わずかにずれれば、園庭で遊ぶ子どもの頭に部品が落ちていた。この1カ月、保護者と共に立ち上がり、懸命に声を上げてきた。

 沖縄防衛局、県には2回ずつ、在沖米総領事館や外務省沖縄事務所などの関係機関にも嘆願書や全国から募った署名を手に出向いた。市民大会の壇上にも上がった。「今できる精いっぱいの訴えをしている。父母会が話し合い、活動が発展した」と振り返る。

 一方で、誹謗(ひぼう)中傷やメディアへの露出が続くプレッシャーが精神的負担となり、「もうやめたい」との保護者の声もあったと明かす。その都度、県内外から寄せられた支援の言葉や卒園生の父母らに励まされ、苦境を乗り越えることができたという。

 米軍は、飛行中の機体から部品が落下したとは認めていない。「過去に金武町で起きた流弾事件でも、米軍は関与を認めず押し切った。米軍のやり方は一貫している」と不信感をあらわにした。

 行動を起こしても園上空を米軍機が飛び交う現状に歯止めが掛からず、窓落下、不時着と事故が止まらない。民間地に落ちることが間近に迫っているようで恐ろしい。「この恐怖は県外の人にはない感覚。遠くの出来事だと思い、格差がある」と嘆くが、「これが沖縄。戦後73年になっても何も変わらない実情を、発信し続けなければ」と語気を強めた。(中部報道部・勝浦大輔)

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