「突きが遅い! 敵は数手先を行っているぞ!」。気温5度の道場に張りつめた緊張感が漂う。兵庫県生まれ、那覇市で育った宮城毅館長(71)=範士九段=は少年期に剛柔流、松林流を習った後、二十歳で渡ったアルゼンチンで小林流と出合い、南米や欧州で空手の普及に努めてきた。