「1票の格差」が最大1・98倍になった昨年10月の衆院選は憲法が要求する投票価値の平等に反するとして、県内4選挙区の県民4人が県選挙管理委員会に選挙の無効を求めた訴訟で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)は19日、格差是正に向けた国会の取り組みを評価して格差は「合憲」と判示。請求を棄却した。原告側は判決を不服として最高裁に上告する。

1票の格差訴訟・福岡高裁那覇支部 判決骨子

 判決で多見谷裁判長は、公職選挙法の改正で青森や鹿児島など6県で小選挙区の定数を6減した選挙区割りについて、「さらに格差是正を図る新たな区割り基準の実施前に行われた必要最小限度の手当てだ」と指摘。国会の対応について「裁量範囲を逸脱した違憲な状態ではなかった」と判示した。

 その上で「国会による是正の取り組みで、最大格差が2倍未満となっており投票価値の平等に配慮された合理的な基準を下回っている」と説明し、当時の衆院選の選挙区割りが憲法に違反していたとはいえないとした。原告側代理人の伊藤真弁護士は「国会の判断を過度に尊重し、裁判所の独自性が何一つ表れていない」と判決を批判した。県選管側は「主張に理解をいただいたものと認識している」とコメントした。

 格差を巡っては弁護士グループが全国14高裁・高裁支部に提訴しており、高裁那覇支部が初めて判決を言い渡した。

 訴状によると、2015年時点の県内の有権者の投票価値は、議員1人当たりの有権者数が最少の鳥取2区を1票とした場合、沖縄1区0・86票、2区0・79票、3区0・74票、4区0・81票(小数点3位を四捨五入)。

「原則は1人1票」原告

 那覇地裁での判決後、原告代理人の伊藤誠弁護士らが県庁で会見した。伊藤弁護士は「とても残念な判決」と記者団に語った。

 判決は2020年の新たな区割りまでの限定措置であって、格差も縮小されている点を理由にしたが、弁護団は「2倍を切ったからいいと判断したわけではない」と指摘した。

 原告側は、本判決を「ガリレオ判決」と呼んだ。天動説が当たり前だった17世紀に地動説を唱え、裁判にかけられた天文学者ガリレオ・ガリレイになぞらえた。

 小口幸人弁護士は「原則は1人1票、それが正しいと私たちは訴えているが、この国の司法はそうではないという。本来はシンプルな話で、まさにガリレオ裁判と同じ」と説明した。