社説

社説[空軍オスプレイ訓練]負担軽減はまやかしだ

2015年10月16日 05:30

 沖縄への新たな基地負担の計画が、また明らかになった。

米空軍のCV22オスプレイ(AP=共同)

 2017年から米空軍横田基地(東京都福生市など)に配備予定の特殊作戦用垂直離着陸輸送機CV22オスプレイが、県内の基地や訓練場を使用することが分かった。沖縄防衛局が14日、県や関係市町村に伝達した。

 CV22は、米軍普天間飛行場に配備されているMV22オスプレイと基本構造は同じだが、地形追随装置や電子妨害機能などを備え、特殊作戦仕様となっている。

 特殊作戦部隊を紛争地にひそかに送り込んだり収容したりする任務に対応するため、低空飛行や夜間飛行、弾薬を使った訓練が想定される。

 防衛省によると、被害が深刻な「クラスA」相当の事故発生率は、MV22の10万飛行時間当たり2・12件に対し、CV22は7・21件と3倍を超える。任務の違いが事故率の差に表れているとみられるが、過酷な任務に即した訓練をする以上、騒音や事故の危険性が増し、住民の基地負担が重くなることは必至だ。

 説明を受けた自治体の首長が「絶対に認められない」などと批判の声を上げるのは当然である。

 CV22の配備先は横田基地だと発表されているが、沖縄での訓練は「既定路線」だとかねて指摘されてきた。というのも、国内の特殊作戦部隊は空軍の嘉手納基地と陸軍トリイ通信施設(読谷村)に配置されているからだ。

 沖縄で訓練の「実績」を重ね、頃合いを見計らって配備先を嘉手納基地に換える。そんな懸念も払拭(ふっしょく)できない。

    ■    ■

 県内では3年前、多くの県民の反発を受けながら、MV22オスプレイが普天間飛行場に配備された。現在24機が運用されている。

 沖縄防衛局によると14年度、日米の騒音規制措置(騒音防止協定)で運用が制限されている午後10時から午前6時までの離着陸は、前年度の2・3倍に増加した。負担軽減策として浮上した「12機程度の県外配備」も進まないままだ。

 嘉手納基地には今月中旬から、米オクラホマ州空軍所属のF16戦闘機12機が、要員200人を伴い暫定配備される。同基地では今年1~4月にウィスコンシン州、6~7月にはバーモント州の部隊が訓練しており、州軍の配備は今年3度目で常態化している。

 さらに嘉手納基地、普天間飛行場には外来機のFA18戦闘攻撃機が度々飛来し、激しい騒音をまき散らしている。

    ■    ■

 住民の我慢は既に限界だ。弾薬搭載訓練も加われば不安はさらに高まる。これ以上の訓練は受け入れられない。

 CV22の配備計画は当初、嘉手納基地も候補地に挙がっていたが、沖縄への負担を回避するとして横田に決まったはずだ。菅義偉官房長官は当時、「沖縄の負担軽減をやり遂げる中で横田への配属の方向性が出た」と強調していたが、結局、訓練は沖縄に押し付けられようとしている。

 政府が繰り返す「負担軽減」が、うわべを取り繕っただけでいかに実態の伴わないものか、あらためて露呈した。

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