那覇市文化財課は3月までに、市首里鳥堀町の県指定史跡「弁ヶ嶽(べんがだけ)」の国指定史跡を目指し、文化庁に意見具申書を提出する。同課による国指定に向けた意見具申書の提出は、2009年2月に国指定名勝となった「伊江御殿別邸庭園」(市首里石嶺町)以来。

弁ヶ嶽の大嶽前にある復元された門=19日、那覇市首里鳥堀町・弁ヶ岳公園

弁ヶ嶽の大嶽前にある復元された門=19日、那覇市首里鳥堀町・弁ヶ岳公園

 弁ヶ嶽は首里城の東約1キロに位置する丘陵で「ビンヌウタキ」と呼ばれる。峰全体が神体になっており、大嶽と小嶽の二つの御嶽と、斎場御嶽(せーふぁうたき)への遥拝所がある。海抜165・7メートルで、かつては航海の目標にもなっていたという。

 大嶽前の石門は1519年に園比屋武御嶽の石門と共に築かれたといわれ、1938年には国宝に指定されたが、沖縄戦で消失。戦後の54年、ハワイ移民らでつくる「うるま一心会」からの寄付を受けて、鳥堀町民によって現在のコンクリート造りの門が復元された。

 国指定になると整備などで国の補助を受けられる。同課は、二つの御嶽が丘陵と一体となって残っていることや歴史的な裏付けなどから、文化庁の文化審議会審査を通る可能性があるとみている。鈴木悠学芸員は「歴史的資料が残っているのが強み。国指定となれば文化財としての価値がさらに高まる」と語った。

 市内にある国指定史跡は首里城跡や玉陵、円覚寺跡、末吉宮跡、銘苅墓跡群の五つ。首里城跡と玉陵は世界遺産にも登録されている。