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名護市長選2018 渡具知氏の勝因、稲嶺氏の敗因は

2018年2月5日 08:39

<渡具知氏勝因>「経済停滞」批判へ支持 公明県本の推薦も後押し

 渡具知武豊氏は学校給食費、保育料、高校生までの医療費の無償化など「生活に直結した」子育て支援策、名護湾のロングビーチリゾート形成など大規模な経済振興ビジョンを前面に掲げ、支持拡大に成功した。

 政策アピールと同時に、2期8年の稲嶺市政に対し「経済の停滞を招いた」と批判を強めたことも、支持拡大への推進力となった。市営球場の建て替えに伴うプロ野球日ハムキャンプの一時移転や、本部町方面に向かうレンタカーの素通りなどを「取り残された名護」の象徴と指摘。同調も広がった。

 さらに辺野古新基地の護岸工事が始まり、反対する県や名護市が有効打を打ち出せていない現状も有利に働いた。渡具知氏は「現市政は一つの問題にこだわりすぎている」「阻止だけを言っても工事はどんどん進む」と批判。現時点で工事を止めることは難しいと暗に指摘し、その上で政府との協調、対話路線で経済振興へのシフトを訴えたことも無党派層を呼び込む戦略として奏功した。

 前回選で辺野古新基地建設に対し「推進」を掲げた候補者が公明党県本部の推薦を得られず、大差で敗れたことの反省から、あえて是非を示さなかったこともプラスに作用した。「普天間飛行場の県外・国外移設」を堅持する公明県本の推薦を取り付け、支持母体・創価学会を巻き込んだ選挙戦が展開された。

 終盤戦で圧倒的人気を誇る自民党の小泉進次郎氏の2度投入も、無党派層支持獲得の後押しとなった。(北部報道部・城間陽介)


 

<稲嶺氏敗因>県とのパイプ浸透せず 市民党的運動まとまり欠く

 辺野古新基地建設問題を最大の争点と掲げ、「基地と引き換え」の再編交付金に依存しない経済振興や教育福祉の充実を訴えた稲嶺進氏だったが、実際に辺野古沖で護岸工事が進む中で「建設を止める」実現性を市民に浸透させきれず、3選はかなわなかった。

 新基地建設反対で立場を同じくする翁長雄志知事が支援し、北部基幹病院の整備などで「県とのパイプ」をアピールした。一方、国と県の辺野古訴訟で最高裁が県の埋め立て承認取り消しを違法と判断したことや、護岸工事の進行は知事の求心力や説得力の低下を招き、辺野古反対の「正当性」が広がらなかった。

 前回市長選は自主投票だった公明党が相手側について組織戦を展開したほか、菅義偉官房長官ら自民党の大物政治家が続々と名護入りし、市内の企業・団体の「締め付け」を徹底したことで強く固まった保守層の切り崩しも進まなかった。

 市議会与党会派の市議14人を中心に、推薦や支持を受けた社民、共産、社大、自由、民進、立憲民主の6政党や県内外の市民団体が市民党的な運動を展開。だが、その分、多組織間の連絡調整や役割分担に苦慮する場面がみられ、結果、運動にまとまりを欠いた。

 終盤はSNSやユーチューブなどを使って政策や主張を広げるネット戦略にも注力したが、SNS活用で先行していた相手側に対し、10~30代を中心とする若い世代の無党派層の掘り起こしでも及ばなかった。(北部報道部・又吉嘉例)

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