昨年、「さきがけ文学賞」を受賞した本書には、沖縄戦の種々の体験を語る短編小説6篇が収録されている。単なる証言集ではない。本書に登場する証言者は1人を除いて、みな死者である。作者は、それら死者たちの声を掘り起こし、想像し、種々の手法で描き出している。その都度文体も違えている。